未来社会の道しるべ

新しい社会を切り開く視点の提供

2024-01-01から1年間の記事一覧

3割は相談しなくても解決、1割は相談したから解決、6割は相談しても解決しない

「孤絶」(読売新聞社会部著、中央公論新社)は素晴らしい本でした。主に家族内の殺人事件の本です。知っている人もいるでしょうが、殺人相手の40%~50%は家族で最多です。 帯に「なぜ、助けを求められなかったのか」をありますが、これはミスリードでしょ…

義務教育を受けられない子どもたち

「精神疾患も、自殺未遂も、生活保護も、みんな自己責任ですか? わたしはなにも悪くない」 ある本の帯に書いてあった言葉です。これはひどい考え方の代表として、医療従事者の私が後輩によく紹介します。上の文章の「なにも悪くない」の「なにも」がなけれ…

世界史上の全ての国はなぜ外交下手なのか

トランプ大統領候補やイギリスのEU離脱など、主に先進民主主義国で右翼と排外主義の台頭が冷戦終結後から30年間ほど続いています。 この理由は、いろいろあるでしょう。 まず、第二次世界大戦後、先進国は大きな戦争を経験していないことです。第一次世界大…

尖閣諸島で日中が戦争すれば

前回までの記事の続きです。 「戦争の大問題」(丹羽宇一郎著、東洋経済新報社)によると、尖閣諸島で日中が戦争すれば、日本がすぐに負けます。 核兵器を使えば日本が負けることは当たり前ですが、さすがに中国はこんな無人島のために、そこまでしないでし…

拉致問題が解決しないなら核ミサイルを打たれた方がマシだ

前回の記事の続きです。 「戦争の大問題」(丹羽宇一郎著、東洋経済新報社)を読んで、私は初めて認識したことですが、2002年9月、小泉純一郎と金正日が調印した日朝平壌宣言では、北朝鮮がNPT(核不拡散条約)を遵守し、IAEA(国際原子力機関)による査察を…

戦争は勝っても損をする

「戦争の大問題」(丹羽宇一郎著、東洋経済新報社)は素晴らしい本でした。以前、同じ著者の本を読んで、大したことないと思った記憶がありますが、その判断が間違っていたと思うほど質の高い本でした。 第二次世界大戦の経験から「負ける戦争は絶対してはい…

東京大学前刺傷事件のまとめ

東大進学者数ではトップ10にも入らないものの、医学部進学者数では1位になる愛知県最難関の東海高校2年生が2022年のセンター試験当日に、本人が志望する東大前で受験生2名と70代男性1名を包丁で切りつけた事件です。直接の死者もおらず、既に世間の関心も集…

いじめの定義

「いじめを本気でなくすには」(阿部泰尚著、角川書店)を読んで、感動しました。無償でイジメ問題を解決している探偵の本です。そんな人が日本にいて、しかも「いつでも連絡してください」と電話番号とメールアドレスまで書いて、さらには「翌営業日までに1…

日本人男性を大量に安楽死させる案

前回の記事の続きです。 「挑発する少女小説」(斎藤美奈子著、河出新書)はミサンドリー(男性嫌悪)に満ちた本でした。理性が飛んでいるとしか思えないほど、ミサンドリーあるいは結婚嫌悪が強いです。特に「若草物語」の章はひどいです。 若草物語は4人姉…

「個の尊重」を守るためなら日本が滅んでもいい

「まだこんなこと言っているのか、コイツは! もういいかげんにしろよ!」 今朝の朝日新聞を読んでいての感想です。 今日の新聞一面トップは人口戦略会議の発表でした。このブログでも何度も書いている通り、少子高齢化、特に少子化は現在の日本の最大の政治…

誰もが不要と認めているのに継続している制度を「枢密院」と呼ぶ提案

「枢密院」(望月雅士著、講談社現代新書)を読んでの感想です。 枢密院といえば「胡散臭い」「頑迷固陋」「陰謀」といった世論が、現在および、その存在中からつきまとっています。1902年、まだ枢密院誕生してから13年の時点で、伊藤博文が総理大臣だった時…

減税は企業献金のキックバック

今朝の朝日新聞に租税特別措置の批判記事がありました。 税制は「公平・中立・簡素」という原則がありますが、その例外として特別に認められた措置で、現在369項目あって、全て知っている方はほぼいないでしょう。 総務省は毎年秋、それぞれの租税特別措置の…

法曹界への2つの失望

「〇〇の常識は世間の非常識」 自虐表現として、よく用いられる言葉です。医療関係者の私も院長に「病院の常識は世間の非常識」と言ったことがあります。 残念ながら、高い社会道徳が要求される「政治家」にも上記の言葉が使われるのは、周知の通りです。今…

100兆円を越えるコロナ予算の事後検証

「コロナ予算」は、新型コロナの流行が本格化した令和2年度だけで、総額77兆円です。日本大震災の復興予算が、10年あまりの総額で約32兆円であることからも、「コロナ予算」がいかに異次元の規模かがわかります。ワクチン接種、国のマスク配布、Go To イート…

学位論文のための難民調査

前回の記事の続きです。情報源は「アフリカの難民キャンプで暮らす」(小股直彦著、こぶな書店)になります。 著者はオックスフォード大学の博士課程の研究のため、ガーナのブジュブラムに来ていました。そのオックスフォード大学の大先輩にデビッド・タート…

恵まれた難民たち

前回の記事の続きです。情報源は「アフリカの難民キャンプで暮らす」(小股直彦著、こぶな書店)になります。 難民「なあ、俺って、リベリアに帰った方がいいのかな?」 著者「帰りたいのか?」 難民「いや、そうじゃないけど……。でも、UNHCRやガーナ政府は…

難民キャンプの政治

前回の記事の続きです。情報源は「アフリカの難民キャンプで暮らす」(小股直彦著、こぶな書店)になります。 「難民たちは政治に参加してもいいのだろうか? もちろんだ。難民の政治的権利は難民条約および各種人権条約に規定されている」 そう本にはありま…

先進国移住の可能性は難民にとっての麻薬

前回の記事の続きです。情報源は「アフリカの難民キャンプで暮らす」(小股直彦著、こぶな書店)になります。 「難民キャンプの経済事情」で、難民キャンプ内の多くの職業を書きましたが、これほど多種多様な職業が難民キャンプで存在している例は少数です。…

難民キャンプ内の助け合い

前回の記事の続きです。 「外圧にさらされる集団は、内部での結束力が高まるのが常だ」 「アフリカの難民キャンプで暮らす」(小股直彦著、こぶな書店)からの引用です。 難民キャンプが長期化すると、難民たちは受入国から帰国するように促されます。どの難…

難民キャンプの経済事情

「アフリカの難民キャンプで暮らす」(小股直彦著、こぶな書店)は素晴らしい本でした。難民キャンプの経済事情について調査した本です。 「左翼のキレイ事に吐気を催す保守派たちへの共感」の記事で書いた生半可な海外ボランティアを経験した一人と、私との…

教育の効率を高める改革

「科学立国の危機」(豊田長康著、東洋経済新報社)で、元三重大学学長でもある著者が再三主張していることは「国立大学の選択と集中は間違っている」です。 著者は三重大学学長の在職中に、この政策が発表された時、わざわざ緊急記者会見まで開いて批判しま…

一人あたりGDPを上げるために研究者人件費の公費支出を増やすべきである

「科学立国の危機」(豊田長康著、東洋経済新報社)は統計を元に、いくつもの相関関係を調べています。まず、論文数と一人あたりのGDPは正の相関、論文数と労働生産性は正の相関があることを示しています。 また、論文数は単純に大学研究者数(実際には総研…

イギリス製大学ランキングは信頼できないが、日本の大学レベルの低下は間違いない

このブログの閲覧数で上位に入る記事で、「他に読んでもらいたい記事がいくらでもあるのに」と私が思うものがいくつかあります。 「恋愛における女性優位の証拠」「LGBTはよくてロリコンはダメな理由が分からない」「人類史上最悪の殺人犯は毛沢東である」な…

京アニ放火事件の死者数はなぜ明治以後最悪になったのか

タイトルの答えは簡単で、放火だったからです。 私の小学校の先生がこんな話をしていた記憶があります。 「地震も、火災さえ起きなければ、そう怖くはない」※ 日本史上最大の死者数を出したのは1923年の関東大震災で、約10万人です。死因の9割は津波や建物崩…

「大地震連鎖と富士山大噴火」と「国債デフォルト」よりも被害が明らかに大きくなる日本のリスク

前回の記事の続きです。 「大地震の連鎖と富士山大噴火」と「国債デフォルト」の被害規模の比較は難しいですが、それ以上に悲惨な状況になる危機を今現在の日本が抱えていることを知っているでしょうか。この問いに日本人の多くが即答できないのなら、それは…

なぜ今日起きてもおかしくない国債デフォルトが起きた時の準備をしないのか

2023年12月15日の朝日新聞の記事の抜粋です。 「国会が開いているにもかかわらず、国会審議がいらない予備費で経費をまかなう事例が相次いでいる。政府が2020~21年度に使い道を決めたコロナ予備費約14兆円のうち4割超が国会開会中の決定だった。政府は緊急…

東日本大震災は誰も予知していなかったのか

2008年の世界金融危機の時、多くの人はこう考えました。 「デリバティブなどの訳の分からない金融商品がのさばっていたから、巨大な経済バブルが発生した」 私も、ほぼ同意見です。サブプライムローンという住宅の借金を債権に変えるなど、誰でもおかしいと…

地震予測は役に立たない

「地震学をつくった男・大森房吉」(上山明博著、青土社)によると、「かつて国民の多くから敬愛され、世界の人びとから『地震学の父』と称揚され、1916年には日本人初のノーベル賞候補となった大森は、1923年の関東大震災を予知できなかったため、『無能な…

日本で大地震が起こった時に最も心配すべきこと

正月の能登半島地震の報道で、ある弁護士が震災被害の証拠を示すための写真や動画を撮るべきことを言った後、最も被災者に伝えたい内容として、こう述べました。 「地震に対する経済的支援は十二分に出ます。日本には災害を救済するための支援制度が数えきれ…

全共闘運動が日本会議を生んだ

前回の記事の続きです。 全共闘運動が最も影響を与えたのは、なんと左翼ではなく、右翼との解釈があります。左翼は民衆運動が活発で、右翼は暴力団体運動が活発なのは、西洋でも東洋でも日本でも同じです。しかし、現在、右翼でも日本会議や在特会などの、民…