未来社会の道しるべ

新しい社会を切り開く視点の提供

2024-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「満蒙は日本の生命線」とはなんだったのか

前回の記事の続きです。 「それでも、日本人は戦争を選んだ」(加藤陽子著、新潮文庫)では、松岡洋右の造語「満蒙は日本の生命線」の「生命線」とは、山県有朋がシュタインから教わった「利益線」と同義である、と断定しています。 「誰もが不要と認めてい…

太平洋戦争と日露戦争の相似

「それでも、日本人は戦争を選んだ」(加藤陽子著、新潮文庫)を最後まで読んでみました。この本は現在まで30万部を越えて売れているのですが、序章の著者の道徳観の浅さに失望して、そこから先を読まないまま、数年が過ぎていました。 この本は東大の歴史学…

アメリカの民主主義を守るためにはアメリカの選挙制度を変えればいいだけである

今朝の朝日新聞の記事の抜粋です。 USスチールは1901年、鉄鋼王アンドリュー・カーネギーらによって創設された。粗鋼生産量が国内の3分の2を占めた時期もある。社名に「US」を冠し、米国を代表することが運命づけられた企業だった。 時代を画した…

袴田再審無罪報道でなぜ紅林の名前が出ないのか

この1ヶ月ほど、毎日のように袴田再審無罪のニュースが流れています。再審が認められた10年前に、無罪であることは実質的に世間に知れ渡っていたので、今回の判決は「裁判でも検察・警察側の捏造が認められた」程度の意義しかありません。 それにしても不思…

石破政権はアメリカの陰謀で短命になるだろう

「アメリカに潰された政治家たち」(孫崎亨著、河出文庫)という本があります。「戦後史の正体」(孫崎享著、創元社)の「日本の首相が反米ならアメリカに潰される」説をより詳しくしたものです。 牽強付会(こじつけ)と私も考えますが、本では、ほぼ全ての…

立花隆はCIAのスパイである

立花隆といえば、1974年10月10日に文芸春秋に載った「田中角栄研究 その金脈と人脈」が出世作です。この記事により、田中角栄首相が辞任に追い込まれて、その後、田中は首相再任を狙っていたものの、果たせることなく政治生命を終えています。「戦後史の正体…

60年安保デモはアメリカの陰謀である

「戦後史の正体」(孫崎享著、創元社)では、60年安保闘争がアメリカの陰謀だと書いています。あの日本史上最大の国会デモがアメリカに仕組まれたものだと証明しています(あるいは証明しようとしています)。 「バカをいえ! なぜアメリカが日米安保条約の…

アメリカは日本を防衛しないし、する気もない

「アメリカは日本の防衛義務がある」 多くの日本人はそう考えています。外務省のHPにもそう書かれていますし、全ての日本の外交政策はそれを前提に進めています。 「日本にある米軍基地の7割は沖縄に集中している」 沖縄問題でよく出てくる事実です。鳩山由…

現代日本最大の陰謀に挑んだ孫崎亨

10年以上前、「戦後史の正体」(孫崎享著、創元社)を初めて読んだ時の衝撃は忘れられません。「60年安保のデモはアメリカが仕組んだものだ」、「立花隆の出世記事『田中角栄研究~その金脈と人脈』は当初誰も驚かなかった。アメリカが大ニュースに仕立てあ…

戦争では事実が分からなくなる

「朝鮮戦争の正体」(孫崎亨著、祥伝社)を読むと、アメリカが朝鮮戦争の虚偽発表をしいていたことがよく分かります。 1950年6月26日、つまり戦争勃発翌日の朝日新聞の記事です。 「解説・軍事力は伯仲」の見出しで、「戦局の発展は予断を許さないが、三十八…