未来社会の道しるべ

新しい社会を切り開く視点の提供

2020-01-01から1年間の記事一覧

新型コロナウイルスで亡くなった日本の小児はゼロである

タイトルに書いた通り、2020年12月21日までの段階で、新型コロナウイルスで亡くなった20才未満の日本人は一人もいません。こんな重要な情報ですら、マスコミは報道していないので、「コロナ対策のため、今は(この子どもの遊び場)使えないんですよ」と言う…

新型コロナで亡くなった人の過半数は80才以上で、8割は70才以上である

こんな重要な情報をほとんどの日本人が知らないので、あえてタイトルにしました。 日本で新型コロナで亡くなった人の過半数は80代以上です(2020/12/14の国立社会保障・人口問題研究所統計)。70代以上まで含めると、8割を越えます。ちなみに、50才未満はわ…

持続化給付金批判

既に借金だらけの日本にもかかわらず、コロナ禍でばら撒き政策が大盤振る舞いになっています。とりわけ、批判を浴びているのはgo toキャンペーンです。「Go toキャンペーンは税金のばら撒きだけでなく、コロナもばら撒きしている」「コロナ感染対策を訴える…

カンボジアPKOの最大の失敗

前回までの記事に書いたように、カンボジアPKOの文民警察派遣は、失敗だらけでした。これは日本人文民警察官に限らず、どこの国の文民警察官も、まともに活躍できていません。目の前で殺人事件が起きても、文民警察官は見ているだけ、という体たらくで、治安…

なぜカンボジアPKOの日本人文民警察官は職場放棄したのか

前回までの記事の続きです。 1993年4月8日、UNTACのボランティアの日本人、中田厚仁が殺害されます。大阪大学法学部卒業で外資系コンサルタント会社に就職が決まっていたエリートで、1年間の休職を願い出て、カンボジアで国連ボランティアとして働いている中…

カンボジアPKOの文民警察の実態

前回までの記事の続きです。 カンボジアPKOの75名の日本人文民警察官は、カンボジアもPKOの基礎知識もないまま現地に到着したので、「文民警察官とは何なのか」という疑問に誰もが突き当たることになりました。「現地警察への助言・指導・監視」が公的な目的…

なぜカンボジアPKOの警察派遣は失敗したのか

カンボジアPKOの警察派遣についての本である「告白」(旗手啓介著、講談社)によると、カンボジアから帰国した74名の隊員(1名はPKO中に死亡)は1993年7月、各自で報告書を作成し、階級ごとに業務検討会を行っています。その検討会の内容を総括した8枚の非公…

なぜカンボジアPKOで警察も派遣したのか

1992年から1993年に日本が初めて国連のPKO(平和維持活動)に参加しました。カンボジアでの民主選挙を実現するため、日本の自衛隊が派遣されたことは私もよく知っています。しかし、カンボジアでのPKOのメンバーとして、自衛隊員の他、警察官がいたことは知…

男子問題の時代

「男子問題の時代?」(多賀太著、学文社)によると、西洋諸国の方が男子問題に対する人々の関心は圧倒的に高いそうです。特に学齢期の男子にみられるさまざまな問題は、深刻な社会問題として見なされてます。各国のメディアは、男子の方が恵まれない性であ…

生活保護を現物給付にする

日本の公的医療保険と公的介護保険は、現物給付です。病気になったら、介護の必要が出てきたら、お金がもらえるのではなく、治療や介護を格安で受けられる制度です。 他の全ての社会保障も現物給付にした方が好ましいのではないでしょうか。 たとえば、収入…

大乗非仏説

日本に仏教が伝わってきてから1000年間以上、仏教がブッダの教えと一致しないと日本人は夢にも思っていませんでした。もっと言えば、現在も、ほとんどの日本人はそれを知りません。 日本に伝わった大乗仏教がブッダの教えと異なるようだ、と日本人が初めて気…

ブッダと輪廻転生

日本の仏教は大乗です。大乗仏教はブッダ(ゴウタマ・シッダールタ)の教えとかなり異なっていることは間違いありません。仏教最古の経典の一つであるパーリ経典と比べると、大乗仏教の教えはおかしいところだらけです。また、パーリ経典自体も、ブッダの教…

安楽死と自己安楽死と自殺と老衰

オランダ安楽死統計 オランダの安楽死の統計は上記の通りです。ここで注目したいのは、安楽死した場所の8割が自宅であること、および、安楽死させた医師の85%が家庭医であることでしょう。 以前の記事でも書きましたが、欧米では自宅近くの医師を家庭医とし…

社会的弱者に死を強要しないために

今回の記事は「安楽死・尊厳死の現在」(松田純著、中公新書)を元にしています。 2001年、オランダは安楽死を合法化した世界で最初の国です。オランダの安楽死法によると、患者の要請に基づいて患者の生命を終結させる医師は次の六つの「注意深さの要件」を…

命の選別は間違っているのか

「ポストコロナは社会でなく医療体制を変えるべきである」で高齢者や基礎疾患のある方が新型コロナに罹患した場合、人工呼吸器で一時的に助かったとしても、遠くないうちに別の感染源から肺炎で亡くなる可能性が高いので、人工呼吸器の優先順位を下げるべき…

ポストコロナは社会でなく医療体制を変えるべきである

新型コロナによる感染は日本で落ち着いてきています。「未来社会の道しるべ」というブログタイトルをつけているのに、このブログでは未来予想と進むべき道をほとんど示していないので、ポストコロナについて簡単な予想と「道しるべ」を記述しておきます。 コ…

生涯未婚時代

「生涯未婚時代」(永田夏来著、イースト新書)はバブル時代から現在までの若者の結婚観の変遷について、IT化などの社会変化だけでなく、同時代の論文、解釈、新語、書籍、流行ドラマ、マンガなども含めて、幅広く考察しています。 私がこちらのブログで何度…

魚食文化保存のために乱獲規制世論を盛り上げなければいけない

前回までの漁業記事を読んでもらったら、日本漁業がIQ方式(あるいはITQ方式)を導入しない理由が分からないのではないでしょうか。 このブログで何度も書いてきたように、私から見ると「頭がおかしいのではないか」と思うほど、日本人は変化に抵抗しますが…

デメリットだらけの漁獲枠オリンピック方式

前回までの記事の続きです。 世界ではIQ方式、もしくはITQ方式が一般的です。漁獲枠配分がいまだにオリンピック方式なのは日本くらいです。 IQ方式とは、漁業者あるいは漁船ごとに漁獲量を割り振る制度です。ITQ方式は、その割り振られた漁獲枠を金銭取引き…

水産庁は税金を使って漁業崩壊を促進する公的機関である

1997年から、ようやく日本でもTAC(総漁獲枠)制度が導入されました。日本の魚種別漁獲量の下のグラフで、薄いグレーの魚種でTAC制度が導入されています。 日本で大量に獲れる魚種のほとんどはTAC制度が導入されているのです。それにもかかわらず、どうして…

乱獲で自滅しているバカな国とそれを知らないバカな国民

ノルウェーはアイスランドと並んで、ヨーロッパの中では魚介類を日本人並みに消費する漁業国です。1960年代の油田の発見で財政が潤ったノルウェー政府は、既に儲からない産業になっていた漁業に莫大な補助金を与えました。結果、1970年代にノルウェー漁業は…

日本漁業の一人負け

このブログを開始した3年前から書こうと思っていたテーマです。ほとんどの情報は「漁業という日本の問題」(勝川俊雄著、NTT出版)に準じています。 上のグラフのように、世界の漁獲量が1990年代から安定しているのに対して、日本の漁獲量は1990年代に入って…

フェイクニュースの対処法

「信じてはいけない」(平和博著、朝日新書)はアメリカのフェイクニュースの実情を知るのに有益でした。 イギリスの調査機関「ユーガブ」と「エコノミスト」が2016年にアメリカ大統領選に関連したフェイクニュースの調査をしたそうです。 「オバマ大統領は…

コロナショックでもハンコ文化に執着する人は病院に行くべき

コロナショックによる経済停滞は、私の人生で最大規模です。都会のほぼ全ての学校が休校し、ほとんど全てのレジャー施設が休業し、多くのカフェやレストランが休業またはテイクアウトのみになるなど、私もほんの1ヶ月前まで想像していませんでした。 2019年1…

ろう者教育法問題と英語学習法問題の相似

ろう者にはバイリンガル教育(日本手話を熟達させた後、書記日本語を習得させる方法)でいくべきなのか、トータルコミュニケーション教育(口話も手話も用いた方法)でいくべきなのか、科学的な結論は出ていないようです。 日本手話教育を推進する明晴学園校…

自己紹介と期待する配慮事項カード

前回までの記事の続きです。 企業などから「聴覚障害者はわからないことを恥ずかしがらない。悪びれずに『知らない』と言う。失敗しても『知らなかった』と言うだけで、真剣に謝罪しないので、周囲から批判的にみられることがある」との批判を脇中は聞いたそ…

社会性習得教育

前回までの記事の続きです。 ろう学校の生徒たちに社会性を身に着けさせるため、脇中起余子は次のような寸劇を見せたり、マンガを読ませたりして、討論させるそうです。 1、1対1の会話と授業の違い 1対1の会話と授業の違い 2、音楽の時間 音楽の時間 3、…

聴覚障害教育の普遍性

前回までの記事の続きです。 聴覚障害者は日本語の「聞く」「話す」だけでなく、「読む」「書く」の習得も難しい、との統計的な事実があります。 「聴覚障害教育これまでとこれから」(脇中起余子著、北大路書房)には、聴覚障害児によくある日本語習得困難…

口話否定教育を否定

前回までの記事の続きです。 「手話を生きる」(斉藤道雄著、みすず書房)を納得しながら読んでいた時、最後の日本語科(国語を明晴学園ではこう呼ぶ)の授業の紹介で、大きな疑問が生じました。小学校6年生なのに、「呼んでみました」を「呼んで、見る」と…

西川はま子と脇中起余子

西川はま子という女性はその劇的な人生のため、手話法と口話法の歴史の中でほぼ必ず言及される方です。 はま子は1917年に滋賀県の裕福な家庭に生まれます。はま子がどれくらいの聴覚障害者であったかは判然としませんが、重度障害者ではなく、わずかながらも…