2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧
社会経験が始めての新入社員は現場の仕事能力が、全社員で最も低くなります。この新入社員の時期に、自分より仕事能力の高い先輩への敬意と服従が要求され、確定します。先輩との上下関係は同じ会社で働いている間はもちろん、通常、退職しても終生変わりま…
日本人のコミュニケーションで最優先されるのは、相手の気持ちを傷つけないことです。自分の意見を言うことは重要でありませんし、正しい意見を言う必要も全くありません。それでは意思疎通の本来の目的が達成されないかもしれませんが、相手を傷つけるくら…
「診療報酬制度」の記事で、白内障手術の診療報酬を激減させたことに、良心的な眼科医は不平を言っていない、と書きました。その一番の理由は、白内障手術の診療報酬の激減前も後も、病院内での眼科医の給料は変わっていないからです。 そもそも、医者の給料…
日本の皆保険制度では、ほぼ全ての病院、ほぼ全てのクリニックが厚生労働省の定める診療報酬制度に従って収入を得ています。血液検査などの各種検査の費用、肺炎などでの各種入院費用、虫垂炎などの各手術の費用は、全国一律で決まっています。病院によって…
オーストラリアの医学生が脳外科医志望だと自慢気に言いました。日本人医学生は総合診療医志望だと言うと、オーストラリアの医学生は驚いています。 「なぜ総合医志望なの? せめて内科医を目指したら?」 医者社会では、総合医<内科医<外科医というヒエラ…
1、ある人材が昇進できるかどうかは、現在の仕事の遂行能力に基づいて判断される。 2、ある人材は昇進後の地位での仕事の遂行能力が高いとは限らない。 3、以上から、ある人材がその組織内で昇進できる限界地位に達した時、ある人材が昇進前までに経験し…
日本で履歴書は決められた書式に、わざわざ手書きしないといけません。法律で定められているわけではないのですが、そんな習慣が常態化しています。何件も就職活動した人なら知っているでしょうが、この履歴書手書き労力はバカになりません。ほぼ全ての日本…
うつ病の症状に貧困妄想があることを知っているでしょうか。本当は貧乏ではないのに、うつ病のせいで貧乏だと思い込んで、わずかな出費さえ控える症状が出ます。私も医療職に就いているので、貧困妄想の患者さんに何名も会ったことがありますが、全員高齢者…
「老後には〇千万円の資金が必要です」という嘘広告はよくあります。これが銀行広告なら預金の宣伝として、まだ許されるのでしょうが、一流新聞の記事でも平気で同じ主張が載っていたりします(日本経済新聞2016年7月20日朝刊など)。 そんな広告を見て、一…
このブログで何回か紹介している濱口桂一郎氏は「日本の雇用と中高年」 (ちくま新書)で、「日本の正社員が職種も時間も場所も無制限に働かされるようになったのはオイルショック後の低経済成長期でも雇用を維持するためだった」と述べています。海外では、開…
高齢者ほど貯蓄額が高い問題は、ここ最近の話ではありません。私の知る限り、バブル時代の1980年代には日本の重大な経済問題として取り上げられていました。この問題の根本原因には、日本の年功序列賃金制度があります。年次が上になるほど高賃金になります…
内閣府発表では、2016年で世帯主が65才以上である場合、平均貯蓄額は2499万円です。日本では、高齢者ほどお金持ちになる、と統計によって明らかにされています。ただし、常識で考えて、高齢者は医療・福祉以外に大したお金の遣い道はありません。そんな高齢…
「日本人の一人当たりの平均金融資産は約1千万円です。これは赤ちゃんも含めた全日本人の平均額です」 「え! それなら、4人家族の自分だと、4千万円の貯金がある計算なのか! 貯金どころか、家のローンがあと何年も残っているのに。いかに自分の家が貧乏か…
「西洋人は政治や宗教の話が大好きである」にも書いたことですが、性について議論するのは難しいです。ほとんど全ての人にとって関心が強く、重要だからです。わずかな違いでも、大きな差に感じて、言い争いになることも珍しくありません。 「非暴力を成功に…
「オリーブの罠」(酒井順子著、講談社現代新書)というバブル世代の著者の本では、「自分のために美しくなろう」という言葉が出てきます。その意味するところは「全方位的におしゃれな女の子」を目指すことのようです。全方位的といっても、私が「世界一自…
個人としての日本人ほど、他人からどう見られているか、どう思われているかを気にする意識=自意識(self-awarenessではなくself-consciousness)が過剰な人はいないでしょう。私は日本人にしては自意識が低い方だと思いますが、それでも海外にいる時と比べて…