2019-01-01から1年間の記事一覧
私の母校は総合大学なのですが、医学部には最も入学難易度の高い学科と、最も入学難易度の低い学科がありました。言うまでもなく、医学科は他の全ての学部学科から群を抜いて偏差値が高く、看護学科は他の全ての学部学科から群を抜いて偏差値が低かったので…
「そろそろ、部活のこれからを話しませんか」(中澤篤史著、大月書店)は「部活はあって当然」との誤解を解いてくれる本です。 部活の歴史、および法体系から、本質は自主性にある、と本では結論づけています。部活は学校で必ず習得すべき技能を身に着ける場…
(社会全体の役に立つためにはどうすればいいのだろうか) 私はそんな答えのない問題を何度も考えたことがあります。私は他人の偽善を批判ばかりしていますが、多くの偽善は、ないよりはマシです。まして、偽善を批判して、なにもしない奴よりは、偽善を行う…
先進国で売られている多くの製品は、発展途上国の人たちの労働によって作られています。先進国を豊かにしている物が、先進国では許されないほどの劣悪な労働条件で、先進国よりも桁違いに安い賃金で、先進国の生活を享受できない人たちによって、作られてい…
「効果的な利他主義宣言」(ウィリアム・マッカスキル著、みすず書房)は極めて興味深い本でした。「知ってはいけない」(矢部宏治著、講談社現代新書)が日本中の全ての人に読ませたい本なら、「効果的な利他主義宣言」は世界中の全ての人に読ませたい本で…
「下り坂をそろそろと下る」(平田オリザ著、講談社現代新書)は、平田オリザの著作である時点でほとんど期待していませんでしたが、その予想を見事に裏切って、興味深い本でした 「ヨーロッパのように、失業者割引を導入すべきだ。『失業しているのに劇場に…
土地問題はいくつもの法が複雑に絡み合いますが、「老いる家崩れる街」(野澤千絵著、講談社現代新書)は都市計画の失敗について簡潔に説明してくれています。この本で何度も出てくる言葉が「焼き畑的都市計画」「住宅のバラ立ち」です。 市民の居住面積が大…
日本には閉鎖的な「〇〇村」があらゆる所に存在して、その周囲にいる人たちが、あるいは、それを報道する人たちまでが、いつの間にか「〇〇村」の一員になっていることがよくある、と私は考えています。 「福島原発事故現場職員の被害者意識」「池上彰を原子…
「福島第一原発1号機冷却 失敗の本質」(NHKスペシャル『メルトダウン』取材班著、講談社現代新書)という本があります。この本のあとがきには「現場職員の一人ひとりは有能で意欲のある者たちだった」という言葉が出てきてしまいます。前回の記事で示し…
メルトダウン中、福島第一原発の現場で働いていた職員たちが一番心配していたのはなんだったか知っているでしょうか。 福島の住民たちに及ぼす被害ではなく、東日本壊滅の危機でもなく、同じく現場で働く人たちの安全でした。つまり、事故の被害者ではなく、…
・IQテストの平均点は常に100点である ・準備勉強をしてもIQテストの点数が上がったりはしない ・知能を客観的に測るテストはこの世に存在しない 以上はすべて間違いです。なお、3番目は「誰もが納得できる知能テストはこの世に存在しない」なら、当然、正し…
みなが不安を持って暮らす世界を救うために、麻原彰晃は現れました。麻原は仏教を基盤とした新しい教えを広め、わずか数年の間に、信徒を爆発的に増やしていきました。その教えを理解しようともしない時の国家権力は、麻原の教団を弾圧し、麻原を裁判にかけ…
カトリックとプロテスタントを含む西方教会、東方教会など世界中ほぼ全てのキリスト教は三位一体を信じるアタナシウス派の流れを汲んでいます。三位一体とは、神と聖霊とイエスを同一視することです。三位一体ではイエスの人間性でなく、神性に注目していま…
タイトルの疑問は私が20才前後でキリスト教の教養本を始めて読んだ頃から長年持っているものです。本の名前は忘れましたが、「イエス自身は新しい宗教を始めるつもりはなかった」と書かれていました。同様の見解は他のキリスト教の本で何回も見つけましたし…
「知ってはいけない」(矢部宏治著、講談社現代新書)は現状の日米外交の根本的な欠陥を赤裸々に示してくれた素晴らしい本です。ただし、疑問点もあります。「密約でも、国際法である以上、必ず守らなければならない。それは世界の常識である」と断定してい…
「亡国の密約」(山田優著、石井勇人著、新潮社)を読んでいると、日本とアメリカでの外交の質的な違いが嫌でも分かります。70年前の日本の独裁者、マッカーサーの言葉を借りれば、アメリカが大人の交渉をしているのに対して、日本は「like a boy of twelve…
「知ってはいけない2」(矢部宏治著、講談社現代新書)には、こんな文章が出てきます。 「米国の外交はアメフト型。プレイヤーはフォーメーションに従い陣形を組み、バックヤードでは多くのスタッフが過去のデータを徹底分析し、最善の1手を指示する。一方…
「知ってはいけない」(矢部宏治著、講談社現代新書)を先月読んで、茫然としてしまいました。著者は立花隆を尊敬しているようですが、その立花隆の全ての本をこの一冊で凌駕しているのではないでしょうか。日本の主権が米軍に蹂躙されていること、あるいは…
山口敬之という元TBSの総理番(総理大臣担当記者)いました。山口は安倍晋三のお気に入りの記者で、第一次と第二次の安倍政権時、他の会社の記者だけでなく安倍の公設秘書たちも人払いさせた後に、独自の情報を何度も安倍から伝えられています。しかも、その…
「日本人が知らない中国セレブ消費」(袁静著、日経プレミアシリーズ)を読んで、私の中国知識を広めるとともに、こんな中国の基本情報を紹介する本がいまだ日本で必要なことを残念に思いました。「中国人は冷めた料理を食べない」は、「中国の実態は誰も知…
前回の記事の続きです。 中国が日本を追い抜いたもう一つの点は、街中カメラの設置台数です。これにより誰がどこの場所にいるのか瞬時に把握できます。残念なのは、それを報道している日本の記事が次のような切り口になっていることです。 正確な統計はない…
ここ最近の中国について情報収集していると、中国が日進月歩で変化しているのに、日本が10年1日のように停滞していることに意気消沈してしまいます。なにより残念なのは、ほぼ全ての日本人がそのことに危機感を全く持っておらず、未だに先進国気分で中国を見…
前回の記事と関連します。 「生きる職場」(武藤北斗著、イースト・プレス)の職場の人間関係の見識には共感します。 著者は職場の理想的な人間関係は「笑顔の溢れる状態ではない」と何度も強調しています。朝礼でハイタッチのような儀式を否定していますし…
「生きる職場」(武藤北斗著、イースト・プレス)は興味深い本でした。 「好きな日に好きな時間帯に出勤できる」「嫌いな仕事はしない」などのルールが注目されるでしょうが、むしろ著者の職場観について私は同意します。 仕事からの喜びやストレスは、仕事…
日本史上最低の人物という概念自体、多くの人は持っていないでしょう。私も辻政信を知るまでは、そうでした。しかし、辻政信を知ってからは、「コイツは正真正銘の日本の歴史上最低最悪の奴だ」と考えて、それが間違っていると思ったことは10年以上ありませ…
私「パックス制度を採用すれば、未婚化と少子化を防げるかもしれない」 A「パックスの意味が分からない。どちらかの意思だけでパックスを一方的にやめられるなら交際でいいじゃない」 私「でも、子どもができたら交際のままだとマズいよ」 A「子どもができた…
「結婚のない社会の弊害」にも書きましたが、自由恋愛の規制として結婚制度は必要です。西洋では結婚以外の規制、たとえば民事連帯契約(PACS=パックス)があります(よく誤解されているようですが、パックスは事実婚ではありません。西洋でも事実婚は事実…
今朝の朝日新聞を読んで驚愕したので、ここにも書いておきます。わずか5万円でパワハラ上司とオサラバできる素晴らしい仕事が現代日本に存在していました。こちらからは会社側に一切連絡することなく、次の日から職場に行かなくていい、という涙が出るほど嬉…
私「なぜいけないんですか?」 相手「そういうルールだからです」 私「でも、そのルールは〇〇のためですよね。この場合、〇〇ではないんですから、いいじゃないですか」 相手「……。ルールには従ってください」 前回の記事にも書きましたが、こんな経験は日…
本籍制度は即刻廃止してください。マイナンバーがある今、本籍の存在意義など全くなく、無駄な手続きが増えるだけです。 先日、私は結婚したため、本籍地が変更になりました。いくつかの私の資格証には本籍地が記載されていたらしく、いちいち変更する必要が…