未来社会の道しるべ

新しい社会を切り開く視点の提供

教育

学位論文のための難民調査

前回の記事の続きです。情報源は「アフリカの難民キャンプで暮らす」(小股直彦著、こぶな書店)になります。 著者はオックスフォード大学の博士課程の研究のため、ガーナのブジュブラムに来ていました。そのオックスフォード大学の大先輩にデビッド・タート…

教育の効率を高める改革

「科学立国の危機」(豊田長康著、東洋経済新報社)で、元三重大学学長でもある著者が再三主張していることは「国立大学の選択と集中は間違っている」です。 著者は三重大学学長の在職中に、この政策が発表された時、わざわざ緊急記者会見まで開いて批判しま…

一人あたりGDPを上げるために研究者人件費の公費支出を増やすべきである

「科学立国の危機」(豊田長康著、東洋経済新報社)は統計を元に、いくつもの相関関係を調べています。まず、論文数と一人あたりのGDPは正の相関、論文数と労働生産性は正の相関があることを示しています。 また、論文数は単純に大学研究者数(実際には総研…

イギリス製大学ランキングは信頼できないが、日本の大学レベルの低下は間違いない

私のブログの閲覧数で上位に入る記事で、「他に読んでもらいたい記事がいくらでもあるのに」と思うものがいくつかあります。 「恋愛における女性優位の証拠」「LGBTはよくてロリコンはダメな理由が分からない」「人類史上最悪の殺人犯は毛沢東である」などで…

地震予測は役に立たない

「地震学をつくった男・大森房吉」(上山明博著、青土社)によると、「かつて国民の多くから敬愛され、世界の人びとから『地震学の父』と称揚され、1916年には日本人初のノーベル賞候補となった大森は、1923年の関東大震災を予知できなかったため、『無能な…

全共闘運動が日本会議を生んだ

前回の記事の続きです。 全共闘運動が最も影響を与えたのは、なんと左翼ではなく、右翼との解釈があります。左翼は民衆運動が活発で、右翼は暴力団体運動が活発なのは、西洋でも東洋でも日本でも同じです。しかし、現在、右翼でも日本会議や在特会などの、民…

空想内全共闘の終わり

前回の記事の続きです。 私が大学時代、新左翼運動に参加しなかった最大の理由は、インターネットの炎上です。大学時代に、新左翼についてのHPを立ち上げ、ネット上で議論したら、ものの見事に炎上したのです(当時は炎上という言葉もなかったですが)。議論…

全共闘とはなんだったのか

前回の記事の続きです。 私の出身大学でも、1990年代後半に、わずかですが、新左翼グループが残っていました。全共闘運動に尋常でない興味を持っていた私は、当然、その新左翼グループに加わることも考えましたが、躊躇していました。 最大の理由はインター…

全共闘の思想的敗北

前回の記事の続きです。 全共闘は思想的にも負けていたと私は考えています。当時の大学や自民党に問題が多くあったのは事実です。だから、大学当局や政治に反抗するのは確実に正当性があります。しかし、それにしても「この要求は横暴だ」「その理屈は飛躍し…

全共闘はなぜ失敗したのか

前回の記事の続きです。 日大紛争の1968年9月30日は一つの到達点ではありますが、その1ヶ月前くらいから全共闘側の道徳違反が目立ち始めています。私が大学生だった2000年頃に文献だけを頼りにしても、特に全共闘側が我田引水なので、本質がつかみづらかった…

全共闘の熱狂

「日本で理性的な反抗があった」 「不良どもによる道徳にもとる反抗ではない」 「学力の高い一流大学の学生たちが民衆運動として反抗していた時代があった」 私の大学時代の勉強の半分は、全共闘の自己研究に費やされたと言っても過言でないでしょう。とりわ…

全共闘という日本の黄金時代

「日本人がデモするなど想像できない」 日本に何年も住んでいる外国人から、こう言われたことが私は一度ならず、あります。日本人は体制に従順で、周りと同じように行動し、ルールはどんな理由があっても守らなければならず、年上や先生や上司への発言は、そ…

日本人初の宇宙飛行士が女性だったらよかったのに

日本人初の宇宙飛行士の秋山豊寛を知っている人は、おそらく私同様に40代以上の人でしょう。JAXAが日本中から募集して選んだエリートである毛利衛など3名が日本人初の宇宙飛行士になるはずでした。しかし、1986年のチャレンジャー号爆発事故で、NASAによる日…

こんな人が日本のAIの最前線にいたのか

5月29日の新井紀子の朝日新聞記事を読んで、失望しました。こんな人が国費の投じられた東ロボ(東大合格を目指すAI)プロジェクトのリーダーになれたのが不思議です。なお、東ロボは2016年に「東大合格は無理」とプロジェクトが終了しています。もっとも、「…

男性は勇気を持って女性を抱かなければいけない

これは女性にはまず分からない苦悩でしょう。 私は女性にもっと強くせまっているべきだった、という痛恨の後悔が2度ほどあります。今までも何万回後悔したか分かりませんが、今後も一生後悔し続けることはほぼ間違いありません。だから、「女性の合意がない…

現在の日本が最も参考にするべき国は韓国である

これまでの記事で明らかでしょう。断定します。間違いありません。アメリカやヨーロッパの報道をしている暇があったら、一文、一秒でも多く韓国について報道してください。 「反響が大きいから」「視聴率が高くなるから」という、くだらない理由で、韓国での…

韓国の大学英語講義の失敗

「あてにならない世界大学ランキング」や「グローバル30で唖然とした英語教員の質」に書いたように、現在、日本は大学での英語教育を推進させています。「英語公用都市を実現させた韓国」や「韓国の英語教育熱」に書いたように、日本より遥かに英語教育熱が…

歴史が暗記科目でないように政治ニュースも暗記教養ではない

日本に限った話ではありませんが、歴史科目では人物名を記憶することが主な勉強内容になりがちです。本来、歴史はどの時代にどんな事件が起きて、それによって民衆の生活がどう変わったかが重要であるはずですが、教科書にそんな記述がほとんどなく、当然、…

韓国人は日本人より努力家で勤勉である

多くの韓国人と交際したことのある日本人なら、これは感じたことでしょう。「韓国が日本より豊かになる」に書いたように、私もカナダ留学時、韓国人の多くが簡単な微積分をすぐに解けるのに、日本人の多くは簡単な平方根の計算ができないので、落胆しました…

知的能力が低くても感情能力が高い人たちはいます

「ケーキの切れない非行少年たち」(宮口幸治著、新潮新書)はひどい本でした。 IQテストを重視しすぎています。「誤解だらけのIQ」の記事でも書きましたが、知的能力を客観的に測るのは難しいです。また、IQは恒常性(年齢が変わってもIQは変化しない)があ…

褒めるだけで上手くいくはずがなく、本当に反省させることは極めて難しい

こんなことは誰もが知っていると私は考えていますが、現実には知らない人も多いようです。 「ケーキの切れない非行少年たち」(宮口幸治著、新潮新書)からの抜粋です。 著者も参加する学校コンサルテーションでは、小中学校で困っている生徒の事例を先生が…

「自己肯定感」「自尊感情」という言葉を使うべきでない

「本当の貧困の話をしよう」(石井光太著、文藝春秋)はひどい本でした。私が絶賛した「浮浪児1945」(石井光太著、新潮文庫)の著者であり、その他にも私が素晴らしいと考えた本の著者なので期待していましたが、裏切られました。 最初から「自己肯定感が高…

あてにならない世界大学ランキング

世の中には簡単に比較できないものが多くあります。人数、面積などは客観性がまだありますが、売上や給与などになると統計基準によって結果が変わってきます。同じような理由で、国家の経済規模を示すGDP(GNPやGNIも同様)にも、問題があることは以前から指…

大学入試改革

「全国共通習熟度順テスト」の捕捉になります。 基礎学力を問うセンター試験と比べると、東大の入試は明らかに難問奇問が多いです。高校までの標準課程を習熟した人たちならまず解けないが、名目上は標準課程の内容だけで解ける問題を出題するので、必然的に…

「ルポ児童相談所」を読んで

「ルポ児童相談所」(大久保真紀著、朝日新書)は素晴らしい本でした。これこそ朝日新聞記者がするべき報道です。「マザコン国家ニッポン」で私が批判した朝日新聞Eduはお受験冊子ではなく、こういった恵まれない子どもたちをテーマにした教育冊子にすべきで…

中学受験会場の異常さ

前回までの記事の続きです。 「受験場でお祭り騒ぎする国民」に書いたように、日本では入学試験の日に、校門前に塾関係者が集まり、お祭り騒ぎをする変な文化が定着しています。上の記事にも書いたように、あれを見るたび、戦時中の出征兵士見送りパレードを…

日本で女性が社会進出できない理由の一つ

前回の記事の続きです。 日本は中学受験でエリートになれるかどうかが決まってしまう不公平な国です。私のように地元の公立中学校に無試験で入り、ある程度世の中の仕組みを理解してから目標を持って勉強しても手遅れで、小学生の頃からママの指図通りに塾で…

マザコン国家ニッポン

このブログをよく読めば分かりますが、私が購読しているのは朝日新聞です。朝日新聞には、朝日新聞EduAという別刷りの特別版がたまに入っています。実態は教育新聞というより、お受験新聞であり、最大のテーマは中学受験になります。お受験に力を入れる人た…

海水注入問題で吉田の英断はムダだった

ここ5年くらいの福島第一原発の本を読んでいる人にとっては常識になっているでしょうが、知らない日本人が大半でしょうから、あえて時系列に沿って述べます。 どこの情報源なのか明確にしてほしいですが、アメリカのウォールストリートジャーナルが2011年3月…

「秋葉原通り魔事件の犯人の母の罪は取り返しがつかないものだったのか」また「犯人に彼女がいれば秋葉原通り魔事件は起こらなかったのか」

前回の記事の続きです。 秋葉原通り魔事件が起こった直後、犯人である加藤智大の両親へのテレビインタビューが行われています。今でもyou tubeで観ることができますが、最初から泣いていてインタビューに全く答えてられなかった母は、「親の責任」について問…