未来社会の道しるべ

新しい社会を切り開く視点の提供

「個の尊重」を守るためなら日本が滅んでもいい

「まだこんなこと言っているのか、コイツは! もういいかげんにしろよ!」

今朝の朝日新聞を読んでいての感想です。

今日の新聞一面トップは人口戦略会議の発表でした。このブログでも何度も書いている通り、少子高齢化、特に少子化は現在の日本の最大の政治・経済・社会問題です。これから日本の多くの地方が電気・水道・医療・教育・介護・保育・交通・インターネットなどのインフラを維持できなくなり、事実上消滅します。その最大の原因は少子化にあります。

「今後、日本の経済がどうなるか知っていますか?」

この1年で私は10代後半から20代前半の日本人10名ほどに上の質問をする機会がありました。3分の2は「分かりません」でしたが、3分の1くらいは「悪くなる」と正解を言っていました。「よくなります」や「現状維持」と不正解を言う若者はさすがにいませんでした。

これも何度も書いていることですが、革命でも起きない限り、日本の経済規模(GDP)は今後縮小していきます。「日本経済がよくなるかどうかは、若い人たちの努力次第です」と言っている奴がいたら、バカだと思ってかまいません。もう既に老害世代が日本の経済減少路線を頑丈に造り上げてしまったからです。経済縮小路線が頑丈になっている最大の原因も少子化です。もはや若者がどう努力しても、人口減少ジェットコースターを修復するまでに50年はかかるはずです。100年、200年、もしくは日本が滅亡する数百年先まで修復できない可能性も十分あります。

人口減少は未来の日本人全員に負担をかけます。上記のような社会インフラの崩壊が最も分かりやすい負担になるはずです。「生涯未婚時代」「高齢者天国日本が見えない新聞記事」「子育てなしなら年金ゼロ」などの記事でも書いたことですが、子どもがいないと社会が持続できません。その社会の構成員である個人も困ります。これは予想ではなく、科学的に導かれる事実です。

それにもかかわらず、朝日新聞は「時時刻刻」という記事で、少子化問題について次のように主張しています。

 

人口問題を考えるとき、経済的合理性以上に大切なのが、個の尊重だ。人は決して、人口増の手段ではないのだから。

 

いつまで、この新聞はこんなバカなことを言っているのでしょうか。子どもがいなければ、働く人がいなくなれば、社会が成り立たない事実から、いつまで目をそむけるつもりなのでしょうか。この記事を書いたバカ記者は人口減少すれば個の尊重にもならない、という当たり前の事実を理解できないのでしょうか。

おそらく、このバカ記者にとっての「個の尊重」は、第二次大戦時の日本人が命よりも大事にした「国体」と同じようなものなのでしょう。当時の日本人は戦争でいくら負けがこんで、何百万や何千万の日本人が死のうと、絶対に降伏はせず、「国体」という大義を守ろうと思い詰めていました。「国体」を守るためなら、日本という国が滅んでもいい、と第二次大戦時の日本人が考えていたように、「個の尊重」という大義を守るためなら人口減少で日本という国が滅んでもいい、とこのバカ記者は考えているのではないでしょうか。

上の朝日新聞の主張についてのもう一つの感想です。「経済的合理性以上に大切なのが、個の尊重だ」は文化大革命期の中国の紅衛兵が好んで使いそうな言葉です。このブログは朝日新聞記者にも読まれているので、誰か上の文章を書いたバカ記者に「文化大革命と西洋人への皮肉」の記事を読ませてくれないでしょうか。