高齢社会
「枢密院」(望月雅士著、講談社現代新書)を読んでの感想です。 枢密院といえば「胡散臭い」「頑迷固陋」「陰謀」といった世論が、現在および、その存在中からつきまとっています。1902年、まだ枢密院誕生してから13年の時点で、伊藤博文が総理大臣だった時…
コロナ禍により開業医の収入は激減しました。初期に「あのクリニックでコロナが出た」などの風評被害があったり、新型コロナを警戒して患者が受診を控えたりしたからです。病院も収入が減りましたが、補助金が出ましたし、そもそも勤務医の給与は患者の多寡…
今朝の朝日新聞の記事です。 「年金が減ったうえに、医療費の負担が増え、これからは病院に行きたくても我慢するしかありません」 横浜市に住む斎藤キヨ子さん(78)は今月14日に届いた新しい保険証を手にため息をつく。「一部負担金の割合」の欄には「…
このブログで何度も書いているように、日本の医療は世界最高です。特に高齢者に関してはダントツで世界史上最高の医療・福祉国家で、結果として高齢者に対する過剰医療、過剰福祉が行われています。高度経済成長もJapan as No.1も経験してきた十分恵まれた高…
前回までNHKの介護殺人報道を批判しましたが、毎日新聞の介護殺人報道はもっとひどかったです。 毎日新聞の取材がNHKに劣る理由は、毎日新聞がNHKより先に報道したからでしょう。「介護殺人」(毎日新聞大阪社会部取材班著、新潮社)に書いてあるように、介…
「母親に、死んでほしい」(NHKスペシャル取材班著、新潮社)は、NHKの記者たちがここまで医療や介護や福祉について知識が乏しいのか、と失望してしまう本でした。この報道を観た多くの日本人も好意的な反応を示した、と書いてあります。だとしたら、日本人…
朝日新聞に上のようなひどい記事が載りました。私が特に腹立たしかったのは、「金払うから、代行してよ」と言うほどの金持ちでありながら、「弱者」を自称するところです。世界史上に存在しないほどの高齢者天国の日本にいながら、いけしゃあしゃあと弱者な…
現状の少子高齢化が続けば、日本の経済は縮小していき、経済縮小の度合いは地方ほど顕著になります。最大の理由は、人口減少と少子高齢化です。 一部の地方で事業が成功して、豊かになることはあるでしょうが、日本中の地方が全て豊かになることはありえませ…
上は2017年12月8日の朝日新聞社説余滴です。ちょうど私の世代である「氷河期世代」が就職時期だけでなく、現在に至るまで、経済的損失を被っている統計を示しています。上の世代と比べても、下の世代と比べても、今の好景気時に失業者の減少が鈍く、非正規雇…
医療の発展は、医学の進歩だけで決まるものではありません。公衆衛生の向上は、医学の進歩以上に、人類の健康増進に役立っています。また、社会全体の死生観の向上も、医療の発展あるいは個人の幸福に繋がっています。 たとえば、20年以上前の日本では、癌告…
前回の記事で、医学が進歩したため、ピンピンコロリが実現できなくなった、と私は書きましたが、それはおかしな話です。医療技術が発展すれば、人間は苦しみながら死ぬしかない、会話ができなくなるまで、トイレが使えなくなるまで、歩けなくなるまで、生き…
「ピンピンコロリは無理である」と「ピンピンコロリは理想でない」の続きです。 ピンピンコロリが不可能な理由はどこにあるのでしょうか。それは医学の進歩、および医療アクセスの充実です。もはや心筋梗塞や脳卒中を起こしても、すぐに救急車を呼べば、特に…
「直前まで元気で、急に死ぬ」といった意味のピンピンコロリは、10年ほど前、マスコミで理想として持て囃されていました。今でも、ピンピンコロリを理想と考えている高齢者は少なくないようです。 しかし、ピンピンコロリが現実に起こったら、どうなるでしょ…
10年くらい前、全国紙を始めとしたマスコミで「ピンピンコロリ(略してPPK)」という言葉が流行しました。「人生の最後までピンピン元気でコロリと死ぬ」といった意味で、主に「そんな死に方が理想である」という前提で使われていました。その頃の私は医療従…
新卒一括採用と年功序列が一般化した日本では、中高年がなんらかの理由で退職した場合、再就職先を探すことが極端に難しくなっています。これの救済策として公務員を若者一括採用から40才以上の中高年者採用に変更することを提案します。 事務職や教員などは…
前回の記事の続きです。 高齢者天国ニッポンでは、極めて手厚い高齢者介護が行われています。それがよく分かる表を次に示します(日経新聞のHPから引用)。 要介護1で月約15万円、要介護5になると月約35万円もの金額がたった1割の自己負担で利用できます。そ…
社会経験が始めての新入社員は現場の仕事能力が、全社員で最も低くなります。この新入社員の時期に、自分より仕事能力の高い先輩への敬意と服従が要求され、確定します。先輩との上下関係は同じ会社で働いている間はもちろん、通常、退職しても終生変わりま…
1、ある人材が昇進できるかどうかは、現在の仕事の遂行能力に基づいて判断される。 2、ある人材は昇進後の地位での仕事の遂行能力が高いとは限らない。 3、以上から、ある人材がその組織内で昇進できる限界地位に達した時、ある人材が昇進前までに経験し…
うつ病の症状に貧困妄想があることを知っているでしょうか。本当は貧乏ではないのに、うつ病のせいで貧乏だと思い込んで、わずかな出費さえ控える症状が出ます。私も医療職に就いているので、貧困妄想の患者さんに何名も会ったことがありますが、全員高齢者…
「老後には〇千万円の資金が必要です」という嘘広告はよくあります。これが銀行広告なら預金の宣伝として、まだ許されるのでしょうが、一流新聞の記事でも平気で同じ主張が載っていたりします(日本経済新聞2016年7月20日朝刊など)。 そんな広告を見て、一…
このブログで何回か紹介している濱口桂一郎氏は「日本の雇用と中高年」 (ちくま新書)で、「日本の正社員が職種も時間も場所も無制限に働かされるようになったのはオイルショック後の低経済成長期でも雇用を維持するためだった」と述べています。海外では、開…
高齢者ほど貯蓄額が高い問題は、ここ最近の話ではありません。私の知る限り、バブル時代の1980年代には日本の重大な経済問題として取り上げられていました。この問題の根本原因には、日本の年功序列賃金制度があります。年次が上になるほど高賃金になります…
内閣府発表では、2016年で世帯主が65才以上である場合、平均貯蓄額は2499万円です。日本では、高齢者ほどお金持ちになる、と統計によって明らかにされています。ただし、常識で考えて、高齢者は医療・福祉以外に大したお金の遣い道はありません。そんな高齢…
「日本人の一人当たりの平均金融資産は約1千万円です。これは赤ちゃんも含めた全日本人の平均額です」 「え! それなら、4人家族の自分だと、4千万円の貯金がある計算なのか! 貯金どころか、家のローンがあと何年も残っているのに。いかに自分の家が貧乏か…
スウェーデンなどの北欧国家は福祉先進国との固定観念が日本にあります。日本以外でこの固定観点が強いかどうかまで知りませんが、普通の日本人が北欧の医療・福祉を体験して、感激することはまずないと思います。私も北欧の医療や福祉を褒めている日本人に…
「日本は世界最高の高齢化先進国ですから、日本がどうやってその問題に対処していくのか、私たちは注目しています」 大学時代に留学生たちから、こんな言葉をよく聞きました。日本の高齢化率が世界最高だということは、どんな発展途上国から来た人でも知って…
投票価値試験の実例 問1、次のうち、ヨーロッパにある都市はどれか? ア、ニューヨーク イ、ロンドン ウ、ロサンゼルス エ、シカゴ オ、デトロイド 問2、次のうち、PM2.5とはなにか? ア、自動車 イ、携帯電話 ウ、コンピューター エ、条約 オ、粒子状物質…