未来社会の道しるべ

新しい社会を切り開く視点の提供

なぜ日本だけ窓際職員が多いのか

前回の記事に書いたように、経済対策の補助金は、「基金」として支出され、独立行政法人や一般社団法人にピンハネされた後、民間の大企業でピンハネされ、分配される制度が確立しているようです。

その二段階ピンハネ事業のうち15%の29基金では、実質的に2022年になにもしていないことが今朝の朝日新聞に載っていました。

ただし、事業費としてはなにも支出していませんが、人件費や事務費といった基金を管理するための費用は29事業で年間約5億8千万円も支出しているそうです。高級官僚の天下り機関に、「実質的にほとんどなにもしていないのに、人件費だけ莫大にかかっている」と批判が殺到した問題と既視感があります。

日本には「窓際」や「妖精さん」と呼ばれる、ろくに働いていないのに、なぜか給料をもらっている人たちが何万人もいます。日本の法律では、解雇が事実上できないに近いからです。どうしても解雇したいなら、追い出し部屋に異動させるか、パワハラでもして自主的に退職させるしかありません。それはおかしいので、解雇しやすいように法律を改正して、「パワハラするくらいなら金を払ってクビにすべきである」と5年前から私は主張しています。

日本では民間企業ですら非効率な窓際がいるくらいなので、非効率の権化である公的機関には全職員が窓際という団体すらあります。上記の高級官僚の天下り機関です。しかも一つだけでなく、数十、数百もあり、あまつさえ、国が設置したはずなのに、国が管理しきれていなかったりします。大手マスコミも、政治家たちの小さい額の腐敗報道に熱を入れるより、このような官僚たちの巨大な税金流用の害をその額の差(おそらく数百、数千倍)に見合うほど時間を割いて報道すべきです。

上記の基金の問題は、高級官僚の天下り機関(特殊行政法人や一般社団法人)の職員だけでなく、民間企業の窓際社員を税金で養っている例です。こんな例があるから、普通の窓際社員が「確かに、俺は窓際だけど、税金で窓際になっている奴よりはマシだ」と考えてしまうのでしょう。日本が衰退していくわけです。