未来社会の道しるべ

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日本のマイノリティ弱者は若者男性のマジョリティである

いまだに「マイノリティ(少数派)である女性」という表現も見かけますが、女性の方が長生きするので、少子高齢化に悩む多くの先進国では女性の方がマジョリティ(多数派)です。必然的に、世界史上最高の高齢者率を誇る日本は何十年も前から、女性がマジョリティです。

従軍慰安婦問題などから、世界中の多くの人は、日本は女性の社会的地位が低いと考えています。世界経済フォーラムの出すジェンダー・ギャップ指数での日本の順位(2023年で146か国中125位)を、日本の女性の社会的地位が低い根拠として、朝日新聞は100回以上使っています。「介護職の多くを公務員化すべきである」にも書いたように、私はこの順位で女性の社会的地位が国際比較できない、と確信しています。フィリピン(同17位)やタイ(同73位)などに住んでいる日本人女性に「現地の女性の社会的地位が日本より高いと思いますか?(女性が尊重されていると思いますか?)」と聞いてみてください。確実にNoが多いはずです。アジアのほとんどの国は、女性への偏見・差別が日本より強く残っています。にもかかわらず、女性の就業率だけは日本より上なので、アジアのほとんど国の女性は、日本の女性より遥かに忙しい状況に追い込まれています。上の質問を「現地の女性が日本の女性より幸せだと思いますか?」に変えたら、9割以上がNoになるでしょう。

そもそも、女性の就業率の低さを帳消しにするほどの金銭メリットが日本の女性だけにあります。妻が家計管理する習慣です。妻が夫の収入を全てもらい、夫は妻の許可を得て、小遣いをもらっている制度です。最近は日本での妻の家計管理率は減ってきているようですが、多数派であることまでは変わっていません。特に、専業主婦家庭で妻の家計管理が多くなっています。

日本の男性はなんてかわいそうなんだと西洋男性に同情される」にも書いたように、この大前提を無視したまま、日本の女性の地位向上の議論はできません。しかし、朝日新聞を筆頭に、ほとんどの女性の地位向上運動は、この大前提には触れません。100年後の日本人には信じられないでしょうが、そんな空回り議論ばかり日本は続けているので、問題はなにも進展せず、少子化は進んで、日本人全員が困っています。

さらに、日本は、高齢者ほど多い人口構造なのに、高齢者天国になっているので、平成の30年間、平均給与は増えず、令和に入る頃からは減っています。今後、韓国や中国は日本以上の少子高齢化に苦しみますが、「老人医療費無料化」や「世界史上最高の介護保険」という日本の失敗は犯さないでしょうから、日本ほどの高齢者天国にはならず、文明の発展に合わせて、ある程度の経済発展はする可能性があります。

さらに「インセル問題と少子化」に示したように、日本は世界一のセックスレスです。女性はセックスしなくても問題ないでしょうが、男性、特に若者男性にとって、セックスできないのは、精神的負担が限りなく大きくなります。秋葉原通り魔事件は、その精神的負担によって起きた悲劇であると「『秋葉原通り魔事件の犯人の母の罪は取り返しがつかないものだったのか』また『犯人に彼女がいれば秋葉原通り魔事件は起こらなかったのか』」に示しています。

以上のことを考慮すれば、日本の少数派弱者の代表は大多数の若者男性になるはずです。もちろん、素晴らしい彼女がいたり、高給職に就いたりしている一部の勝ち組若者男性は除きます。

大多数の若者男性を社会的弱者として救う制度が、今の日本には必要なはずです。