未来社会の道しるべ

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犯罪

尼崎連続変死事件よりも恐ろしい事件があるに違いない

尼崎連続変死事件は事件の全容がいまだ解明されていません。日本史上最悪とも呼ばれる事件であるのに、扱っている本も「モンスター」(一橋文哉著、講談社)ともう1冊くらいしかありません。次にこのブログで扱う北九州監禁殺人事件は多くのフィクションのモ…

相模原障害者殺傷事件の植松を論破することは可能だったのか

前回の記事の続きです。 「相模原障害者殺傷事件」(朝日新聞取材班著、朝日新聞出版)を読めば、朝日新聞記者たちが植松に当たり障りのない質問しかしていないことが分かります。植松の機嫌を損ねて、面会拒否されることをなによりも恐れていたのかもしれま…

朝日新聞記者は相模原障害者施設殺傷事件の被害者たちを冒涜している

マスコミについて詳しい人なら知っているでしょうが、記者クラブに所属する日本の大手マスコミ会社では、新人に警察担当をさせます。つまり日本の犯罪についての情報は、まだ若い新人記者の報道によって、日本人全体に伝わります。 新人だから、若いから、そ…

相模原障害者施設殺傷事件の原因は謎のまま終わるのか

19人と数において戦後最悪の殺人事件である2016年の相模原障害者施設殺傷事件には不可解な点があります。犯人の植松聖の両親がどのように植松を育てたかについての情報が全くないことです。「障害者なんていなくなってしまえ」という理由で障害者施設に忍び…

殺人がいけない理由を答えられない日本人

100年後の人には信じられないでしょうが、「なぜ人を殺していけないのか」に明確に答えられない日本人が21世紀初頭に多くいました。「そんな当たり前の質問にも答えられないのなら、どうやって子どもに倫理観を身に着けさせられるのか」と思われるでしょう。…

土浦連続殺傷事件はどうすれば防げたのか

前回までの記事の続きです。「死刑のための殺人」(読売新聞水戸支局取材班著、新潮文庫)を元に書いています。 犯人の金川は高校3年の7月に弓道部を引退、9月頃に進学ではなく就職することを決めます。「唐突に、大学に行かない、と結論だけ言われた。理由…

土浦連続殺傷事件犯人家族は典型的な日本人

事件当時の金川一家です。 外務省勤務の父(59才) パート勤務の母(48才) 無職の真大(24才) 派遣会社員の上の妹(22才) 大学生の下の妹(20才) 無職の弟(17才) 上の妹は声優を目指して養成学校にも通っていました。真大の最初の殺人標的はこの22才の…

なぜ金川真大は土浦連続殺傷事件を起こしたのか

「死刑のための殺人」(読売新聞水戸支局取材班著、新潮文庫)は取材不足なので、タイトルの問に答えを出すのは容易ではありません。金川は事件当時24才なので教育に問題があったことは間違いなく、とりわけ、家庭教育に原因があるとの上記の本の指摘は正し…

三菱銀行人質事件はなぜ起こったのか

前回の記事の続きです。 強盗殺人犯の15才の梅川は岡山少年院に送られます。当時は今と異なり非行少年に対する処分が厳しく、少年院送りが当たり前に決められていました。ベビーブームのせいもあり、日本中の少年院は定員を越えており、岡山少年院も定員115…

三菱銀行人質事件の犯人はどうして現れたのか

1979年に起きた三菱銀行人質事件は、その残虐性において、日本の人質犯罪史上最悪でしょう。猟銃で脅しながら、人質銀行員に同僚の耳をナイフで削ぎ落させ、女子行員を裸にして並ばせ、肉の盾にしています。犯人の梅川は42時間もの長時間、一睡もせず銀行内…

日本の犯罪者は反省を強要される

「アメリカ人のみた日本の検察制度」(デイビッド・T・ジョンソン著、シュプリンガー・フェアラーク東京)によると、「犯罪者を反省させることが重要」と考える日本の検察官は92.7%なのに対して、アメリカの検察官はわずか8.8%です。また、「犯罪者と被害者…

日本の検察制度の長所

「アメリカ人のみた日本の検察制度」(デイビッド・T・ジョンソン著、シュプリンガー・フェアラーク東京)は、日本の刑事裁判制度の長所も書いています。 手放しで賞賛しているのは、日本の検察制度の一貫性です。アメリカでは、同じ州で起こった同種の犯罪…

日本の刑事裁判では弁護人も被告の敵になる

日本の刑事裁判では99%が検察側の勝利に終わります。負けがほぼ確定しているため、刑事裁判の弁護人は勝つために全力を尽くす気が削がれてしまいます。また、国選弁護人の給与は他の弁護士の仕事と比べて各段に安くなっているので、優秀な弁護士の多くが刑事…

日本では自白が作られる

「自白は証拠の王様ではありません」 これは私が中学の社会の先生から教えられた格言です。ウソで自白だってできますし、強迫されて自白する人も過去の歴史に山のように存在しています。情けない過去を白状しますが、私は子どもの頃、ある大人に間違って犯人…

日本では検察が犯罪を作り出せる

「犯罪は社会を映す鏡」という言葉があります。これからの犯罪についての記事では、犯罪本の批判を通じて、日本人の道徳について考察していきます。 この記事のタイトルの「日本では検察が犯罪を作り出せる」は「アメリカ人のみた日本の検察制度」(デイビッ…

私が日本の最も嫌うところ

私の人間観の一番の柱は「人間は皆同じ」です。これは私が22才の頃に到達した概念で、それ以降、どんな国のどんな人に会っても、この概念が間違っていると思ったことはありません。 聖人も犯罪者も、大金持ちも浮浪者も、大学教授も知的障碍者も、人間は本来…