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土浦連続殺傷事件犯人家族は典型的な日本人

事件当時の金川一家です。

外務省勤務の父(59才)

パート勤務の母(48才)

無職の真大(24才)

派遣会社員の上の妹(22才)

大学生の下の妹(20才)

無職の弟(17才)

上の妹は声優を目指して養成学校にも通っていました。真大の最初の殺人標的はこの22才の妹でした。中学の時、妹が不登校になり、家の中でふてくされている感じで、見ていてイライラするからです。事件当日と前日、金川が起きた時に上の妹がたまたま出かけていたというだけの理由で、この上の妹は殺されませんでした。

この上の妹は明らかな変人で、母の前で声を出すことはなく、筆談をしていました。上の妹は「両親の年齢も分からないし、事件が起きて初めて兄の年齢を24才と知った。家族では、特に母が嫌い。一生、自分の声を聞かせたくないから、母とは筆談で会話している」と証言しています。そこまで母を嫌いになった理由は「母としての義務を怠ったから」というが、詳しい理由は明かしていないそうです。初めて母と筆談したときも、両親は「なぜ筆談するのか」とも聞かなかったそうです。ここで叱らないどころか、理由も聞かなかったというのですから、両親も明らかな変人です。上の妹は紙に「ちげーよ」と書いて、母に投げつけたこともあったそうです。私の子どもがそんなことをしたら、子どもが私から猛省を求められることは間違いありません。

上の妹は「兄とは同居しているが、年に数回しか話さない。小学生の頃、『まーちゃん』と呼んだら、『まーちゃんなんて呼ぶな』と怒られて、拒絶された気持ちになり、それから積極的に話すことができなくなった」そうです。金川の事件を知った上の妹は「相手の方が民事裁判を起こしたら力になりたい。兄には『クソ野郎』『何やってんだ、ボケ』と思う。兄を心配する気持ちはない。苦しみを感じることなく死ぬことは許されない」と語っています。

下の妹は「兄弟と会いたくない」という理由で、大学進学後は一度も実家に帰っていません。「兄については好きでも嫌いでもない。つらいことがあっても乗り越えられないのは弱い人。大学も行かず、就職もしない、甘えた人は好きになれない」と語っています。下の妹は兄よりも姉と弟が嫌いだったようです。「姉との関係に亀裂が入ったのは、風呂の順番でもめてから。いつもは自分が姉より先に入っていたが、テレビ番組を中断するのが嫌で、姉から『入らねーのかよ』と聞かれたので、うなずいた。それから、だんだん話をしたくなくなった。弟も私が居間で受験勉強していると、すぐ近くでゲームをしたりして、うるさくて、無神経で大嫌い」と言っています。

不登校となり、アルバイトをしていた弟はエレキギターが好きで、音楽関係の仕事に就きたいと考えていました。弟は月に数回、金川と対戦ゲームをしていましが、「特に仲が悪くもないし、よくもない」と言っています。兄が悪いことをやって許せない、というより、事件を起こした驚きの方が大きかったそうです。事件に関心はなく、兄がどうなるかにも関心はなく、被害者に対しても何か思うことはない、家族の誰かが死んでも悲しいとは思わない、今付き合っている彼女が死んだらさみしいかもしれない、と話したそうです。

金川の母は父と異なり、金川の頭の良さより、人間力を伸ばすことを重視していました。そう言うわりに、「真大は自分が気に入らなければ絶対にやらない。牛乳を飲まなければ、飲まずにカルシウムをとれる食べ物を与えた。嫌がることをやらせたことも、悪いことをして叱ったこともない」そうです。

呆れたことに、兄弟仲が悪いことに、母は全く気づいていませんでした。それどころか、上の妹が筆談している理由すら分からないのに、子どもは自分を分かってくれているし、自分は子どもを分かっていると思う、というほど能天気でした。

金川の家族と私には共通点が複数あります。まず、私も家族が好きではありません。大学で上京した後も、基本的に実家に帰ることはありませんでした。現在、両親とは10年以上、会っていません。両親のどちらかが死んだら悲しいと思うどころか、喜ぶでしょう。もし殺されたのなら、その殺人犯にお礼を言いたくなるでしょうから、私の両親への憎しみは金川家を越えているようです。

しかし、私が家族を憎むきっかけは、こんな些細なことではありません。姉妹が風呂の順番で口をきかなくなるのは、私には共感不可能です。子どものときに「まーちゃん」と呼んで叱られて、口をきかなくなるなど、「人生なめるな!」と叱りたいです。お父さんもお母さんも、上の妹が口をきかない理由が分からないまま何年も経過しているのも、異常としか思えません。

相手の気持ちを最優先する日本と道徳を最優先する西洋」にも書いたことですが、日本人は表面的な会話、世間話、笑い話は好きですが、政治の話、道徳の話、深刻な話は避けがちです。日本人は対立が生じる話題からとにかく逃げます。その同じ方向で極端に大きい例が金川家という気がしてなりません。多くの日本人もここまでひどくなくても、同じような性格(話し方と振舞い)を持っていると私は推測します。だからこそ、金川家の周りの人も、弁護士も、ジャーナリストの著者も、金川家の異常性に気づいても、核心的な質問をしていないのでしょう。

母はゲーム好きの金川プログラマーの仕事を勧めたこともあったようですが、「俺が好きなのはゲームをやることで、作ることじゃない」と言われると、仕事のことは全く話さなくなったそうです。子どもについて書いた本に「仕事のことは触れない方がよい」と書いてあったからだそうです。この本に書いてあったから話さなかった側面もあったでしょうが、仕事について話す勇気のない母を正当化してくれる言葉で安心したい側面もあったに違いありません。

よく誤解されているので、ここに書いておきます。「うつ病の人に励ますのは禁忌」は医学的に間違いです。確かに、うつ病の急性期に励ますことが好ましくないのは事実です。しかし、うつ病の慢性期、特に本人が退屈だと感じるようになったら、むしろ少しずつ励ました方が早く回復するとのエビデンスがあります。同様に、「登校拒否児に登校刺激は絶対してはいけない」「引きこもりの人に仕事の話は避けなければいけない」も医療職の国家試験で出題されたら明らかに×です。せめて「〇〇してはいけない時もある」くらいでないと〇になりません。

「死刑のための殺人」(読売新聞水戸支局取材班著、新潮文庫)には、14ページにわたって、裁判上での弁護人と金川の父との変な対話が載っています。

弁護人「妹さんに、なぜ家で口をきかないのか、その理由を聞いてみないんですか。お兄ちゃんがこうなったんです。どうして今も放置しているんですか?」

なんと、裁判中のこの期に及んでも、妹は母への筆談を続け、しかも、両親ともその理由を聞いていないのです。なお、この上の妹は、母が目の前にいるからか、警察相手にもメモで言葉を伝えた、という常識外れの行動までとっています。

父「タイミングというものがあり……。本人たちの心の状態があります。時間をかけて、これから対応していきたいと思います」

もし私が弁護人なら、ここで次のように父に叫んでいます。

「タイミングなんて、今でも遅すぎるくらいなんだよ! さっさと聞けよ! 裁判中の今でもいいから、すぐに妹の携帯に電話しろ! 妹の用事なんて、後回しだ!」

しかし、弁護人の返答は間抜けでした。

弁護人「死刑判決も十分あり得る事案です。死ぬ前までにタイミングが来なければ、お父さんは見送るだけですか?」

父「そのときまでにできないこともあり得ますが、それは仕方のないことだと考えています」

この「それは仕方ない」の父の言葉に、著者も強い違和感を持っています。

しかし、それでも上記の私の言葉が父に投げかけられることはありませんでした。もし私がこの本の中の弁護人、裁判官、検察官、ジャーナリストなら、間違いなく父に上記のように怒鳴っています。もし私が弁護人かジャーナリストなら、上の妹にも直接、「なぜ筆談なんてするのか?」と確実に聞いていますが、誰も聞いていません。

変な両親に、変な弁護士に、変な裁判官に、変なジャーナリストです。こんな変な奴らが暮らす国だから、こんな変な犯罪が起こるのでしょう。

ジャーナリストである著者は「責めを負うべきは加害者自身であり、その家族ではない」と書いていますが、それには大反対です。この両親も確実に、この凶悪犯罪の原因を作っています。

母は「私が死ぬことで、死ぬことの意味を真大に分からせたい」とまで証言し、著者はそれを読み返すたびに涙が出たそうです。私の正直な感想を書きます。母も著者も正気でしょうか。ここまで異常だと、私には狂人に思えます。どちらも精神疾患があるとしか思えません。

「本当に死ぬほど心苦しいのなら、なぜもっと早く息子の悩みを聞かなかったのか! それが遥かに簡単なことになぜ気づかないのか! なぜ今も妹の奇行の理由も聞かないのか! どこまでバカなんだ、お前は!」と著者はどうして母に言わない、あるいは言えないのでしょうか。

私には本当に謎なので、その理由が分かった人は、下のコメント欄に書いてください。