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尼崎連続変死事件よりも恐ろしい事件があるに違いない

尼崎連続変死事件は事件の全容がいまだ解明されていません。日本史上最悪とも呼ばれる事件であるのに、扱っている本も「モンスター」(一橋文哉著、講談社)ともう1冊くらいしかありません。次にこのブログで扱う北九州監禁殺人事件は多くのフィクションのモデルになっています。一方、北九州監禁殺人事件と同じく家族全員を徹底的に洗脳させて、金を巻き上げるだけ巻き上げてから殺す手法をとり、北九州監禁殺人事件以上に長期間、多くの被害者を出した悲惨な犯罪にもかかわらず、これまでのところ、尼崎連続変死事件はどのフィクションのモデルになっていません。

その最大の理由は、主犯の角田美代子が調書をとられるまえに留置場で自殺したからです。誰が、誰に、なにを、どのように話して、洗脳されたのか、などの事件の重要かつ詳細な部分がほとんど分からないままで終わってしまったからです。

この事件の凶悪性は誰も否定しないでしょう。上記のような詳細が分かれば、北九州監禁殺人事件以上に胸糞が悪くなったかもしれません。ただし、これが日本史上最悪だったとは限らない、とも私は思います。むしろ、警察が把握していないだけで、もっと凶悪な犯罪が日本にはあった可能性が高いと考えます。そんな犯罪があったとしたら、それは確実にヤクザによるものでしょう。

尼崎連続変死事件もほぼヤクザの犯行です。美代子の父も叔父も愛人もヤクザですし、美代子が生まれてから死ぬまで、周りはヤクザばかりいます。警察が暴力団と認定していませんでしたが、美代子のグループの手口はヤクザと同じです。実際、上記の「モンスター」ではMというヤクザが美代子の犯罪を指導したと書いています。

本では、その美代子以上に危険な人物として、事実上の一人ヤクザである美代子の弟の月岡靖憲をあげています。「突然、がなり立てたかと思うと相手が泣いてひれ伏すまで追い込んでいく常軌を逸した粘着気質に加え、公衆の面前で相手を全裸にして完膚なきまで殴打するなど、人間の尊厳を平然と踏みにじる凶暴で狂気を帯びた暴力、一度狙った獲物は絶対に逃がさず、すべてをしゃぶり尽くす狡猾かつ陰湿な恫喝・強奪ぶりには身の毛がよだつわ」「獰猛さで『マサ』(美代子グループの暴力装置)をしのぎ、貪欲さや狡猾さで美代子をしのぐ」と本では紹介しています。この靖憲は、弁護士相手に執拗に嫌がらせや脅迫を行い、3億円以上を騙し取り、弁護士の妻は二度も自殺未遂を起こしています。言うまでもなく、この被害者弁護士は法律の専門家であり、頭脳明晰であったのに、靖憲に完全に洗脳されています。

Wikipediaの「失踪者」によると、日本で行方不明のまま身元が発見されない人数は平成になってから1年あたり8千人です。2015年からの5年間では2300人と少なくなっています。このうち何名かはヤクザによって闇に葬り去られたまま人生を終えているはずです。相模原障害者施設殺傷事件は19もの人命が奪われ、数において戦後最多となっていますが、それ以上の人命を奪った犯罪がヤクザによって行われた可能性は十分あると私は推測します。

日本の反社会組織の中で最凶の位置にいるのがヤクザです。ヤクザが全くいなくなれば、日本社会全体の治安が遥かによくなるだけでなく、日本社会全体の道徳・倫理が遥かに向上することは間違いありません。ヤクザの実体をある程度知れば、それは必ず分かることです。