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でっちあげ血液鑑定人の古畑種基

戦後の冤罪事件を調べたことのある人なら、古畑種基と次の記事で紹介する紅林麻雄は嫌でも記憶に残るでしょう。

日本の冤罪事件がどれほどあるか私は知りませんが、世間で知られるほどの冤罪事件になれば明治から数えても100に満たないでしょう。そのうち一人の人間が関われる数となると、せいぜい数件に過ぎないはずです。それにもかかわらず、古畑の誤りが引き起こした事件は裁判で後に無罪と認められた稀な例だけで4件に及びます。

古畑は法医学の天皇との異名を持つ人物で、血液型のA因子とB因子に対してO因子は劣性であることを証明しています。その業績の価値は私も認めますが、血液鑑定に関しては問題のある結果を続出させています。島田事件では「胸部のところに革皮様化があるから、これは死後の傷でない」と法医学的にありえない発言をして、「権力の犯罪」(高杉晋呉著、講談社文庫)によると、同じく島田事件の血液鑑定をした他の医師から「法医学の常識をふみ外した間違いです。医学生ならいざしらず、古畑先生がなぜこういう鑑定をされたのか」と疑問を持たれています。このように他の医師の血液鑑定と矛盾する鑑定結果を古畑は量産しており、財田川事件にいたっては以前の自身の鑑定とすら矛盾する鑑定を出しています。

普通に考えて、それまでの血液鑑定で血液の付着はわずかとなっているのに、古畑鑑定で突如として鮮明な血液付着が何個も発見されたとしたら、古畑鑑定の前、あるいは古畑鑑定の最中に新しく被害者の血液がつけられたとしか考えられない(弘前大学教授夫人殺人事件では裁判でそう判定されて冤罪が確定している)のに、その疑問を口に出さないばかりか、いくつもの裁判で検察側に必要以上に有利な証言をしています。この非科学的な鑑定について「権力の犯罪」では、古畑自身が検察謀略の一味であることを自供したようなものだ、とまで書いています。古畑が検察謀略の一味と断定はできないでしょうが、そう批判されても仕方ないほど、古畑は悪質な鑑定、悪質な発言を繰り返しています。

古畑鑑定により無実の人を何年も収監させている事実、それも1人でなく4人以上も収監させてきた罪を考えると、上記の学術業績も吹っ飛び、もはや極悪人として歴史に名を残すべきとしか私には思えません。こんな瑕疵鑑定を続出させる奴に、何度も鑑定させた検察あるいは公権力は今からでも謝罪すべきと私は考えます。

ここで恐ろしい事実をつけ加えておきます。古畑が関わった4つの冤罪事件、弘前大学教授夫人殺人事件、財田川事件、松山事件、島田事件で、全ての容疑者は犯人でなかったのに、自白させられています。そして、その自白の供述調書が最大の証拠となって、裁判で死刑判決をくだされていました。まさに「日本では自白が作られ」、「日本では検察が犯罪を作り出せる」の実例です。

余談です。多くの方が想像している通り、医学部は子どもの頃から勉強ばかりしてきた奴しか入れません。その中でも特に勉強しかできない奴が研究医になります。研究医とは、患者さんの診察や治療は全くせずに、研究ばかりしている医者のことです。もともと勉強しかできない奴の中でも、さらに勉強しかできない奴が就く仕事です。患者さんを含めた一般人と交流する機会がろくにないので、研究医はコミュニケーション障害の極地に到達します。上の古畑はその代表例でしょう。この問題を少しでも是正するためにも、海外のように、研究室内で教授にも自由に発言できる雰囲気を作る、それが作れないなら教授にさせないくらいの制度を作るべきでしょう。