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尼崎連続変死事件での警察の殺人的ミス

尼崎連続変死事件について書くなら、これは必ず指摘しなければならない点でしょう。事件発覚の10年以上前から、被害者やその親戚、近隣住民が警察に何度も通報していましたが、身内同士の金銭トラブルや暴行などの事案ということで、刑事事件としてまともに捜査されていませんでした。事件発覚10年前の2001年に美代子は逮捕までされていますが、既に殺人・傷害致死事件を起こしていたのに、窃盗罪で起訴されただけで、懲役3年執行猶予5年となってしまいました。兵庫県警や香川県警が十分に捜査していれば、後の大量殺人を防げたことを考えると、このミスは文字通り殺人的です。

角田美代子グループが被害者家族と奇妙な結婚・養子縁組をして、大都会の地下鉄路線図のような複雑な家系図を作りあげたのは、身内だと警察介入しづらいためです。警察はまんまと美代子の罠にはまったわけです。

かつてイジメ事件は、外見的には明らかな脅迫罪、恐喝罪、傷害罪、暴行罪だとしても、「子どものすることだから」と警察はまともに介入していませんでした。結果、イジメにより何百万人もの日本人に一生消えない心の傷を作りました。これを是正するためにいじめ防止対策推進法ができました。

繰り返しますが、「家庭支援相談員」のような福祉職を作り、「家庭は聖域」などのお題目は捨てて、必要ならば躊躇なく警察介入できるように「家庭犯罪防止対策推進法」を作るべきだと確信します。