今朝の朝日新聞を読んで、笑っていけないと思わないながらも笑ってしまう特集記事がありました。ラピダスとTSMCの新規半導体事業にどちらも1兆円以上も公費が投じられて、失敗するとほぼ断定されている記事です。
私は半導体の専門家ではありませんが、三菱の国産ジェットのように数百億円以上の莫大な国費が投じられた営利事業で、成功した例を記憶していないので、よくて成功率は10%だろうと予想しています。朝日新聞では、電機メーカーの半導体メモリー事業を統合した「エルピーダメモリ」、液晶事業の「ジャパンディスプレイ」の失敗を例にして、今回も失敗する危険性を指摘しています。
微細加工研究所の湯之上所長はTSMC事業について「回路の原板の初期工程とパッケージングの後工程は台湾で行われるので、台湾有事の際、やはり日本で半導体は製造できない。これでは経済安保の強化にならない」と批判しています。湯之上は2021年の衆議院でも「経産省が出てきた時点でアウトだ」と発言したそうです。他人事では全くなく、自分や自分の子どもたちにツケを回す借金が2兆円規模で増える予想で、怒りの声をあげるべきなのですが、「もう日本はどうにもならない」という諦観が20年以上も私を支配しているせいか、笑ってしまいました。
同じく湯之上の考察です。
「失敗の本質は何か。官僚は自分が担当の2~3年の間に実績を上げてステップアップしたい。実績とはいくら予算を使ったかということで、それを勲章と考える。目に見える最も分かりやすい実績です。しかし、予算を使った後は異動してしまい、それが競争力に寄与したのか、誰も分析しない。反省もしない。どんちゃん騒ぐだけです。こうしたことは、もう繰り返してはいけないと思います」