今朝の朝日新聞に「オリンピック開催地を毎回東京にすればいい」との意見が載っていて、「よくぞ言ってくれた」と感心しました。朝日新聞らしくない斬新なアイデアですが、元読売新聞記者で作家の堂場瞬一の意見でした。
この案の最大のメリットは開催費用の節約、および競技施設の有効利用です。現状だと開催地をいつも変えるので、開催のたびに巨大な競技施設を世界中に造っていますが、明らかにムダです。1か所にすれば、この現状のオリンピックの最大の問題点が大幅に改善します。
次のメリットは、堂場の言うように日本の「高校野球の全国大会=甲子園」というイメージが固定しているように、「夏のオリンピック=東京」というイメージが固定し、東京のイメージアップにつながることです。
もう一つのメリットは、日本の「おもてなし」で世界中のスポーツ選手や観客が満足することだ、と堂場は主張しています。
ただし、当然ながら、デメリットはあります。
日本にとって最大のデメリットは、毎回、オリンピック開催費用で莫大な赤字が出ることでしょう。上で経費節約が最大のメリットと書きましたが、それでも、現状のようなオリンピックでは、東京に固定しても、開催するたびに赤字になります。「国際オリンピック委員会や加盟各国からの援助も期待できる」と堂場は楽観的に書いていますが、もし私が加盟各国の代表なら「開催したい都市は他にもある。援助がほしいのなら、援助なしでも開催したい都市にお願いする」と考えます。
まさにこの点について、「オリンピック開催地を東京に固定する」案を日本人全員が考えるべきだと私には思えます。
「オリンピックの開催地は固定すべきだが、それを東京にしたいか」
何%の人がこれに賛同するのか、知りたいです。なお、関西大学の宮本勝浩名誉教授の試算によると、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会、東京都、国の赤字の合計額は約2兆3713億円です。こちらのHPによると、日本国民は1万375円の負担、東京都民は11万7212円の負担です。
私の意見を述べます。毎回東京開催となれば、上に書いた通り、大規模な新設競技場もほぼなくなり、経費は大幅に節約できるので、赤字1兆2千億円くらいに圧縮できるはずです(あるいは、それくらいのオリンピック規模になるよう交渉すべきです)。オリンピック開催のため、4年間でそれくらいの募金は日本中や世界中から集められる可能性はあると考えるので、毎回、東京開催の案はあっていいと思います。
もちろん、私はオリンピック募金に1円も払うつもりもなく、日本の公金がオリンピックに1円でも費やされるのは大反対ですが、募金でオリンピックが東京で開催されることまで反対するつもりはありません。だから、「もし募金が十分集まらなければ公金が投入される」という条件なら、反対です。「もし募金が十分集まらなければ、その分、規模を縮小する」という条件なら、賛成するかもしれません。
「国スポを東京に固定する提案」に続きます。