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日本は政治家より官僚が強い

タイトルは、このブログを読む人なら常識でしょう。たとえば、第二次安倍政権時の議員提出と内閣提出の法案の差です。

議員提案だとほとんど否決されていますが、内閣(実質は官僚)提案だとほとんど成立しています。もちろん、成立した法律数でも官僚が政治家に圧勝しています。

「行政は職員が何十年も務め、そして分野ごとに専門の人たちを配置している。一方、議員は4年に1回選挙があり、3分の1がコロコロと入れ替わったり、半分が替わったり。そういうことを考えると、(議員が)チェックするということは非常に難しいのではなかろうかと」

「日本だと政治家より官僚がなぜ強いのか」の質問で、上記のような答えがよく出てきます。ただし、これは国会議員ではなく、地方議員の発言です。「地方議員は必要か」(NHKスペシャル取材著、文春新書)に、富山県の元市議会議員の荒木泰行の発言として掲載されています。

官僚が政治家より強いのは、国や中央省庁に限った話ではありません。地方自治体でも、やはり官僚が政治家を圧倒しているようです。

上記の本によると、2018年の1年間に全国1788の地方議会で、行政側の提案を一度でも否決したことがある議会はたったの203議会です。約9割の地方議会は、ただの一度も行政提案を否決していないのです(私を含む多くの日本人がこの驚くべき事実を知らなかったと思うので、強調します)。

行政提案を修正させて可決させた例もあるとは思いますが、これでは次のような意見が出てくるのは避けられません。

「首長提案を丸のみして可決する光景が非常に多い。これでは議会の存在意義が問われる。市民から見ても議会不要論が出てくるのはある意味当然だ」(60代・男性県議)

地方議会は失くしていい」の記事に続きます。