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小沢一郎の「自衛隊の国連軍化」案

日本外交のトラウマ」の記事で小沢一郎を名指しで批判したので、彼が日本最高のタカ派でないことを示しておきます(私がそう思っていないことを示しておきます)。「日本改造計画」(小沢一郎著、講談社)に書いているように、小沢一郎自衛隊国連軍としてのみ活動することを提案しています。日本は第二次世界大戦を起こした国として、アジアの国々から軍事活動を警戒されています。だから、日本単独で軍事行動するのではなく、国際連合が平和維持のために必要だと判断した時だけ、他の国と一緒にPKF(平和維持軍)に加わるという案です。この理屈だと、2003年のイラク戦争国連決議がないので、日本は参加できません。

この自衛隊国連軍にする意見は右から左からも反対されて、現在、国会でろくに議論もされていない状況です。私はこれが不思議でなりません。自衛隊自体いなくていいという極端なハト派や、日本が中国並みに軍事予算を費やすべきという極端なタカ派を除けば、この意見に反対する理由が分かりません。おそらく、右から反対する人は国連の決定ではなく、日本が独自に決定した方がいいと考えているのでしょう。つまり、国連の決定よりも、日本政府の決定の方を信用しているのでしょう。しかし、イラク戦争の参加例にあるように、国際社会よりもアメリカに気をつかうような日本政府の方針を信用しているのでしょうか。そんな日本人が多いと私には思えません。

小沢一郎の主張のように、日本の軍事活動がアジアの国に危惧されているのも事実です。たとえば、日本が始めてPKOとして活動したカンボジアでは、アジアの国はもちろん、世界中の国が「第二次大戦後初めて日本軍が海外派兵した」と報道しました。当時既に戦後50年近く経っているにもかかわらず、「また日本が戦争するつもりなのか」と危険視されていたのです。日米安保条約について日本人はアメリカが日本を守ってくれる条約だと思っているかもしれませんが、アメリカ世論が考える日米安保条約の一番の目的は日本の防衛(12%)でなく、日本の再軍備防止(49%)です。(於衆議院憲法調査会 2004・5・12 小熊英二 第9条の歴史的経緯について)。アメリカだって、日本を信用していないのです。日本に侵略された過去を持つアジアの国はもっと日本を信用していません。

だからこそ、日本軍ではなく国連軍として活動すればいいのです。「日本が独自に判断して、アメリカに協力するときもあれば、国連に協力するときもある」のではなく、「国際連合が平和維持のために必要と考えた軍事活動に日本の自衛隊もいる」の方が国際的には納得してもらえるでしょうし、評価してもらえるはずです。

私の究極の理想は自衛隊自体いないことですが、まだまだ現実的ではないでしょう。そうであるなら、また自衛隊の活動を真の国際貢献につなげたいなら、自衛隊国連に任せた方がいいだろうと思います。

 

※注意 カンボジアへの日本人派遣活動は、自衛隊派遣が必要だったかはともかく、大局的に成功だったと私は思います。現在、カンボジア親日国になっているのも、この時のPKOの日本人たちが活躍したからでしょう。ただし、自衛隊の活動よりも、その後の日本の民間人の地道な活動がカンボジア人を親日にしていったと私は考えています。