未来社会の道しるべ

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全国共通習熟度順テスト

全国共通で学習指導要領は定められているのに、テストは学校ごと学級ごとに異なります。テスト作成に費やされる先生の労働時間は、日本全体で一体どれくらいになるのでしょうか。日本に教員は100万人以上いるので、一人平均年間5時間としても、500万時間(1人に換算すると571年)以上が費やされている計算です。これほど膨大な時間を費やすほどの価値が、個別のテスト作成にあるとはとても思えません。だから、次のような全国統一習熟度順テストを提案します。

・主要科目については習熟度順の全国共通テストを作成する

・全国共通テストは毎月1回、平日の最終日に受験できる

・全ての生徒は年に最低3回は全国共通テストを受験しなければならない

・生徒は習熟度順に主要科目の全国共通テストに合格しなければならない

・あるテストに不合格になった場合、もう一度同じ習熟度のテストを受験しなければならない(習熟度をスキップすることはできない)

・全国共通テストの点数は全て記録される

・既に合格した習熟度のテストをもう一度受験することができる

・テストの結果が二つ以上ある場合、よい点数だけが記録される

主要科目は、小学校から1~3年は国語と算数、4~6年は国語と算数と理科と社会、中学校と高校は英語と数学と国語と理科と社会になります。

テストの作成だけでなく、採点も一ヶ所で行った方が効率的でしょう。可能なかぎり選択式にして、採点を容易にするべきだと考えます。

この全国共通テストには次のような特徴があります。

1、科目ごとの進級が可能である

2、教育年数によらず各生徒の習熟度に合わせて学習できる

3、授業を受けずに独学で全国共通テストに合格しても構わない

この全国共通テストは、現在の大学過程の科目にも適用してもらいたいです。私の知る限り、数学、物理学、化学、生物学、医学、法学なら、どの大学でも学ぶ内容はほぼ共通しているので、全国共通テストはまず作成できます。

日本では英検、漢検、数検など、職業と直接関係ない学力を調べるための能力試験に何百万人も、わざわざお金を払って受験します。こんなにも学力能力試験が好きな国民なので、全国共通テスト進級制度は受け入れられるのではないでしょうか。

また、現在の日本では、中学入試、高校入試、大学入試で、通常の教育課程を受けてきただけではまず解けないような難問や奇問を出して、学力を判定しています。そんな特殊な入試突破学力を磨かせるよりも、より普遍的な教養を身に着けさせるため、中学、高校、大学の標準学習内容を先取りさせた方が真の学力向上に繋がることは、誰だって分かっているはずです。

この制度が普及すれば、中学校卒業程度の数学力のない大学生に経済学を教える、なんて非効率な教育はなくなっていくでしょう。また、何度も同じ習熟度テストに不合格になる生徒の意欲を削ぐことも確実です。それについての対策は「学習指導員」の記事に書きます。