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好むと好まざると中国経済の影響を受ける日本

中国人が旅行中に高級品を買い漁る「爆買い」という言葉が2015年に流行語大賞をとりました。この「爆買い」のように、日本人が好むと好まざるにかかわらず、いまだ成長の止まらない中国から受ける影響力はしばらく増え続けます。

隣国に経済大国が誕生しているのですから、中国と好ましい関係を築いて、その経済成長の恩恵を受けたい、と思うのは自然でしょう。しかし今現在、日本人が中国人とつきあいやすくなったと私は特に思いませんし、中国貿易から利益をあげているわけでもなく、むしろ、日本の大幅な貿易赤字です(もっとも、大量に輸入するからには、それだけのメリットが日本にあるわけで、1980年代のアメリカの日本批判のように、日本が貿易赤字を理由に中国批判すべきとは全く思いません)。

私も中国に住んだ経験があるので、中国人と理性的な関係を築くのが難しいのは知っています。それでも上に書いたように、好き嫌いはともかく、中国経済が日本に与える影響は増え続けるので、中国人を日本人嫌いにさせて得することはないでしょう。

中国経済が急激に成長して日本を抜き、アメリカを抜いて世界最大の経済大国になることは、20年以上前には分かりきっていることでした。10年ほど前には「中国の発展は脅威ではなくチャンス」と広言していた日本の首相もいましたが、その小泉首相自身が中国との関係を悪化させる、という言行不一致の外交政策をとっていました。彼には彼なりの信念があったのは知っていますが、「経済発展は歓迎するものの、政治的に対立する」ことは対中国外交として好ましいと思えません。

政治的な対立に限らず、民間交流でも日本人が中国人から尊敬されない側面はあります。上海に住んだことのある日本人なら皆知っていることですが、その側面の一つを「上海のピンクレディー」の記事で紹介しています。