未来社会の道しるべ

新しい社会を切り開く視点の提供

救急搬送した高齢者とそうでない高齢者での生命予後のデータを出してほしい

在宅でできる治療と入院でできる治療に差がないのに、病院に搬送したがる訪問診療医がいます。私に言わせれば、藪医者です。

f:id:future-reading:20211216120819j:plain

こんな奴がいるから、本人が望んでいるはずの在宅死が日本では増えないのでしょう。こんな奴がいるから、日本は無駄な医療費が増え、過剰医療が増えるのでしょう。こんな奴がいるから、大したことのない新型コロナ患者数と死者数で日本は医療崩壊が起こっていると錯覚されるのでしょう。

私がコイツと同じ訪問診療医の立場なら、むしろ次のことを患者さんおよび患者さん家族に伝えます。「病院に断られたからと言って、医療に見放されたと考えないでください。そのために、私たち訪問診療医がいます」「病院に行ってもやる治療は同じ、酸素マスクとステロイドです。病院よりも住み慣れた家の方が治療環境としては適切です」「人工呼吸器を使って急性期を乗り越えて、すぐに自発呼吸に戻れる場合もあります。しかし、場合によっては死ぬまで付けっぱなしで、口での会話はできなくなります。その場合、本人が希望しても、今の日本では人工呼吸器をはずすことはできません。それでもいいですか」

もうそろそろ「救急搬送の多い高齢者ほど寿命が短い」「救急搬送を選択しなかった患者さんほど生命予後は長かった」ことが統計エビデンスとして示されないでしょうか。逆の結果でもいいので、肺炎や熱発、あるいは新型コロナでもいいので、救急搬送を選択した高齢者と、そうでない高齢者の生命予後くらいの統計は出してくれないでしょうか。「軽症の人ほど救急搬送しないのだから、救急搬送しない人の方が長生きなのは当たり前」と批判的検討が必要なことは十分承知で、お願いしたいです。