未来社会の道しるべ

新しい社会を切り開く視点の提供

マイナス票と投票価値試験

昨今、先進国ではびこるポピュリスト対策として、マイナス票の導入ほど有効なものはないように思います。古代ギリシア陶片追放のように、マイナス票と言えば、危険な独裁者を排除するために導入されていますから。とはいえ、イギリスのEU離脱の可否のように二者択一なら、マイナス票導入効果はほとんどありません。日本のように多くの候補者がいる選挙なら効果は期待できます。

新聞紙上でも、マイナス票の提案は何度か読んだ記憶があります。しかし、すぐに「あまりうまくいかないようです」と却下されています。うまくいかない実例を私は読んだ記憶がありません。もし、失敗実例を知っている方がいれば、ぜひコメント欄に書いてください。

なお、私がここで提案したいのは、マイナス票についても投票価値試験を行うことです。通常のプラス票の投票価値試験の他に行うので、有権者にとっては二度手間にはなります。だからデメリットも確実もあります。しかし、メリットもあります。投票価値試験を二つにすることで、一度だけよりも公平になることです。また、投票価値試験を作る仕事を2倍に増やせます。

話が飛躍しますが、私は以前のブログで、これからの人工知能社会について考察し、今後、コンピューターによって人間がしなくていい仕事が増えていくと信じています。その分、新しい仕事、あるいは社会に役立つ活動を作るべきだと考えています。投票価値試験制作といった公平さが極限まで求められる難しい仕事をAIが代替できるまでにあと100年は必要でしょう。この知的仕事量を2倍にする価値はあるはずだと考えます。