「人は自分のためにしか生きられない」とほぼ同じ内容です。
カントが多く作った哲学用語の中に、仮言命令と定言命令という二つの言葉があります。
仮言命令とは「AのためにBする」というものです。たとえば「金持ちになるために医者になる」などです。
一方定言命令は、Aのために、というものがなく、無条件に好ましい「Bする」というものです。たとえば、なんのためでもなく、無条件に「人の命を救う」などです。
定言命令は仮言命令より優れる、とカントは主張します。
しかし、自然界に絶対的な価値や道徳が存在しない以上、定言命令など存在しません。同様に、なんの見返りもないのに善行を積める人間など、この世に存在しません。
もし無条件に道徳的に生きられる人がかりにいたら、その素晴らしい善人を利用する悪人が続出して、結果として、その善人の行為は道徳に反することになります。実際、そんな例を社会ではよく見かけてしまいます。
なんの見返りもなく人間が生きていけないこと、なんの見返りもなく人間が生きていくべきでないことを「さよならコンカフェ」で、日本のキャバクラ嬢殺人および殺人未遂事件がニュースにすらならない日常となっている実例で示しました。