未来社会の道しるべ

新しい社会を切り開く視点の提供

明るい所をより明るくするのではく、暗い所を明るくすべきである

先月、荒戸完がMORNING BOOOOOOSTで、こんな愚痴を言っていた。

「なるほど。ご主人がそんなこと言っていたのね。あ、今、『ご主人』と言っちゃダメなんだっけ。『夫』と言わなきゃいけないんだっけ。でも、本人がメールでそう書いていても、ダメなの? 俺が自動的に言い換えなきゃいけないの? いや、俺はいいけどさ。本人が言いたいニュアンスも変わってこない? ああ、もう面倒くさいね。そういえば、最近さあ。『奥さん』と言うのもダメなんて言われるじゃない。でも、『妻』ってよそよそしくない? 『うちの妻』なんて言う人いる? 女性でも奥さんって呼ばれる方がいい、という人もいるわけでしょ? ああ、もう。なんで俺、こんなことラジオで言っているんだろう。なんか、違う気がするんだよね。いいよ、じゃあ。夫婦の話をするのは止めるよ、ってなりそう。それってどうなの?」

昨日、あるカナダ人女性から次のようなメッセージが届いた。

女性「女性にとって体の管理は、男性にとっての富(wealth)と同じくらい大切でしょ?」

私「言っていることは理解できます。でも、同意していいのかどうか迷ってしまいます。それはポリコレ的に大丈夫なんでしょうか?」

女性「は? そんな言葉(ポリコレ)使わないでもらえる。私、その言葉聞きたくないんだけど」

朝日新聞を購読している私は、ここ10年ほど、フェミニズムという言葉を見たり聞いたりしない日がないくらい、その文化というか価値観のシャワーを浴びている。

1千万円以上の給与を得ている女性が日本に限らず世界中で増えていること、貧乏で魅力のない男性をまるで「人権がない者」のように扱う大多数の女性がいること、セクシーな女性がマスメディアで流れると「sexist」と徹底して批判する大きな社会勢力があること、医者や税理士などの高級職に就いているのにキャバクラや風俗で働きたがる若い女性がいること、メイドカフェガールズバーで稼いだなけなしの金をほぼ全て女性アイドルの推し活に費やしている女性たちが日本に千人以上いること、これらの現実の常識と世間で理想とされる「常識」のギャップに戸惑って私を含めた精神科医にかかっている20代から30代の女性が日本に何万人もいることも知っている。

これらの問題の有効な解決方法の一つは「明るい所にいる者たちが暗い所にいる者たちをよく見る(知る)こと」だろう。

「暗い所にいる者は明るい所にいる者もよく見える。しかし、明るい所にいる者は暗い所にいる者がよく見えない」

少なくとも現在は、明るい所をこれ以上明るくする努力は原則、止めるべきだろう。そんなことすれば、余計に暗い所にいる者が見えなくなり、その者たちを救えなくなる。社会の分断は進む。明るい所を明るくする時間と労力があれば、暗い所にいる者をよく見て、知って、救うべきではないだろうか。