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なぜアメリカに弁護士が多いのか

タイトルの答えは、「弁護士免許にそれほどの価値がないから」になります。

医師免許がなければ、薬を出すことと(厳密には処方箋を出すこと)、手術をすることができません。だから、医師を通さず、医療の恩恵を受けることは難しいです。

しかし、弁護士免許がなくても、法律手続きを代行できますし、訴訟の代理人になることもできます。だから、弁護士がいなくても、法律行為はほぼ全てできます。

弁護士免許の特権は、法律行為によって「報酬を得られること」です。法律行為は原則、誰でもできます。法律行為によって、「報酬を得られること」が弁護士の特権なのです。その意味で、医療情報の提供で報酬を得ることが医療職(医師とは限らない)の特権である点と似ています。

だから、理論上も、事実上も、弁護士なしで裁判もできます。実際、6月27日に公開される映画『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』では、被害者(事実は加害者)である生徒側に500名ほどの弁護団がついたのに、加害者(事実は被害者)である教師側には誰も弁護士がつかなかったのに、教師側の無罪が確定しています。また、英会話学校NOVAの倒産時に、授業料の返金訴訟を弁護士なしで訴えた元受講生が、NOVA側に10人以上の弁護団がいたのに、裁判で返金を勝ち取っています。

とはいえ、それは例外だったようです。少なくとも、私の場合はそうでした。私がいくら正当性を訴えても、裁判官はろくに聞いてもくれませんでした。

今回の裁判について誰に相談しても、「弁護士を雇った方がいい」と言われました。そのたびに私は「俺も自分で調べてみたが、弁護士なしでも裁判はできる。だいたい、弁護士に払う金があるなら、子どもたちと一緒にいる元妻に払った方がまだマシだ」と答えていました。

しかし、さすがにここまでひどい判決をもらったら、私の考えの間違いを認めざるを得なくなりました。

弟から「弁護士なしでも裁判できるのは理論上の話だ。おまえがどれだけ言っても裁判官は聞いてくれなかったじゃないか。弁護士が同じこと言っていたら、裁判官は聞いてくれたんじゃないのか。もう現実を受け入れろよ」と言われて、私はなにも言い返せませんでした。