第二次世界大戦後、最も死者を出した戦争を知っているでしょうか。
(虐殺も含めたら、国共内戦、スーダン内戦、ユーゴスラヴィア内戦、カンボジア内戦、ルワンダ内戦だろうか。アメリカのベトナム戦争やソ連のアフガニスタン戦争ではないだろう)
そう私は考えました。実際、上記の内戦のほぼ全てで「第二次世界大戦後、この内戦は最大の死者数を出したと言われている」という表現を見かけた気がします。
しかし、正解はどれでもなく、1998年8月20日から2003年7月18日までのアフリカ大戦でした(もっとも戦死者の統計はどれも正確ではないので、諸説あります)。現在のwikipediaでは「第二次コンゴ戦争」と載っています。死者数は500万人から600万人と言われています。
恥ずかしながら、この戦争の名前すら、私は知りませんでした。まして、第二次世界大戦後の最悪の戦争であるなど、知りませんでした。
コンゴといえば高校の世界史レベルの「ベルギーの元植民地(フランスの元植民地から独立したコンゴもあります)」「レオポルド2世の悪政」の知識で30年間ほど進展せず、他の多くのアフリカ諸国と同じく独裁者(モブツと言われたら、名前を思い出す程度でした)が長年支配した発展途上国という印象しか持っていませんでした。あとは、やはり他のアフリカ諸国同様、21世紀になって中国の投資が活発なことでしょうか。
自分のことを棚に上げて言いますが、モブツの死後、アフリカの多くの国を巻き込む大戦争がコンゴ民主共和国を中心に起こったことは、一体、どれくらいの日本人が知っているのでしょうか。湾岸戦争やイラク戦争よりも遥かに悲惨で、遥かに多くの人生に影響を与えた戦争を、どうして日本のマスコミは大きく報道しなかったのでしょうか。
ところで、アフリカ大戦を学ぶついでに知ったことですが、ツチ族が100日間で100万人も虐殺されたことで有名なルワンダは現在、「アフリカのシンガポール」と呼ばれるほど経済発展しているのに、同じくツチ族とフツ族の対立のあるブルンジは現在、世界最貧国になっています。歴史、地理、民族、人口、面積、言語が酷似している両国にこれほどの差が生まれた理由を、どれくらいの日本人が知っているのでしょうか。