未来社会の道しるべ

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イジメた者はイジメの経験をすぐ忘れるように振った者は振った経験をすぐ忘れる

タイトルは社会や人間の残酷な事実ですが、その残酷さを認識していない社会や人間が多い、多すぎると考えるので、ここにあえて書きます。

恋愛で振られた側は深い心の傷を負いますが、振った側は心の傷をほとんど負わず、相手のことをすぐに忘れる上、罪の意識はありません。これはイジメられた側と、イジメた側の関係と同じです。

もちろん、イジメと恋愛を同等に扱うことに抵抗のある人もいるでしょう。イジメはイジメる者とイジメられる者の関係が固定されており、逆転することはまずありませんが、恋愛はどちらも相手を振ることができる関係であり、振られた者も場合によっては振った側になった可能性があります。

その違いは重要なのですが、今回は似た側面に注目します。大抵の恋愛は、完全に対等な関係ではありません。とりわけ、恋愛で振った側は恋愛を終わらせる決定権を持っているわけで、振られた側よりも優位な立場にあります。そして、優位な立場にいる者たちは劣位な立場にいる者たちの気持ちを蔑ろにしがちな傾向があります。これは人間、あるいは社会的動物の残酷な性質であることに十分に注意すべきはずです。

社会的な性差(gender)だけでなく、性欲は男性が女性より圧倒的に強いという生物的な性差(sex)もあり、男性から女性を求めなければならないのは、古今東西共通する習慣です。親族の強制により結婚が決まった時代、あるいは男性が力づくで女性を求めてもよかった時代なら全く逆なのでしょうが、それが許されなくなった現代、男性が恋愛で振られる回数は、女性が恋愛で振られる回数よりも、圧倒的に多くなります。

以上から演繹的に、現代社会の恋愛において、全体として、女性が男性より優位であり、女性が男性の心を深く傷つけているのに、女性は加害者としての意識もありません。恋愛において、全体として、女性がイジメる側で、男性がイジメられる側にあります。

現在、先進国で残っている男性優位は、一部の高い社会的地位の男性の多さにしかないでしょう。その一部の高い社会的地位の男性の割合を減らそうとするのは構いません。しかし、それ以外の多数の男性、結婚や恋愛などで女性から相手にもされず、女性よりも不幸な男性を救わないと不公平です。過半数の弱者男性はろくな社会的地位に就いていない上、結婚や恋愛などの女性優位の世界では完全な負け組です(下の女性用HPで見つけたグラフ参照)。だから、一部の勝ち組男性の圧倒的優位を批判するのなら分かりますが、問答無用で社会全体として男性を優位と考えるのは、特に日本や韓国などでは時代遅れです。

一部の高い社会的地位や、ごく一部の性犯罪ばかりに注目して、男性を加害者と考えることが良識と勘違いしている朝日新聞には特に伝えたいです。それは「木を見て森を見ず」の代表的な失敗例です。