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日本が韓国に再逆転する場合の理由

日本経済の成長も衰退も全ては人口動態が根本原因である」に書いたように、日本が韓国に再逆転するとしたら、その最大の理由は人口動態にあると私は考えます。つまり、韓国が日本以上の少子高齢化により韓国経済の足を引っ張るからだと考えています。

とはいえ、私は「国家の富は国民の道徳と教養によって決まる」との理論を信じており、その理論でも日本が韓国を再逆転する理由を説明できるとも考えています。

その前に、1990年頃に一人当たりのGDPで日本は欧米先進国を抜いていたのに、その後に日本が欧米先進国に負けた理由を、上記の理論を用いて説明します。欧米人と比べて、日本人がよく働くことは、バブル期から現在まで変わっていません。しかし、バブル期に既に存在していた日本人の欠点を直せなかったため、日本は自滅して、欧米先進国に抜き返されたと私は考えています。

具体的に書きます。日本人は働く時間が長かったものの、バブル期から生産性が低く、ITなどで生産性を高めることもできませんでした。「新卒一括採用の功罪」に書いたように、新卒一括採用を続けているため、人材の流動性は低いままで、人材を効率よく活かしきれていません。高齢者、女性、外国人、障害者たちを労働力として活用できず、むしろ社会保障の重荷にしています。人口動態で高齢者ほど多くなっているのに、年功序列賃金を維持しようとするため、経済全体に無理が生じています。長幼の序が社会全体に浸透しすぎているため、時代遅れになった成功パターンに執着して、必要な改革を実行しません。教育面でも、外国語教育は貧弱で、大学生になると極端に勉強しなくなります。

韓国についても、現段階で、既に欠点があります。財閥企業とそれ以外の企業の賃金の差は絶望的なほど大きくなっており、貧富の差は日本の比ではありません。それに関連して、失業率は日本より高く、とりわけニート率は日本の何倍も高くなっています。塾や留学などの民間産業が盛んであるため、親の収入の差による教育の差も、日本以上にひどいです。大学受験、就職活動の競争が世界最高と言えるほど激しく、結果、自殺率も世界最悪になっています。

現在、韓国人の学習意欲、勤勉さ、他国の良さを積極的に取り入れるなどの長所が目立って、これらの欠点は覆い隠されている部分があります。しかし、韓国が日本同様、経済が停滞する時代に入ってくると、上記の欠点が目立ってくるのではないかと予想します。

私が深刻だと考えるのは、上記の韓国の欠点は直りそうもないことです。日本同様、韓国も少子化対策に「130兆ウォンも費やしたのに、全く効果がなく、解決する兆しもありません」(文在寅大統領の演説)。

財閥で働く韓国人は1%なのに、財閥は韓国のGDPの75%を生み出す異常な格差も、解消の目途がありません。多くの韓国人は財閥腐敗に憤りながらも、財閥で働くことを望んでいます。優秀な韓国人ほど財閥企業に就職しており、財閥解体の副作用が大きくなっています。

日本同様、優秀な教育を施すために公教育は限界があるので、民間教育産業が幅を利かすのは無理もなく、結果、経済格差が教育格差につながります。この不公平をなくそうと、政府の命令で韓国の主要大学は試験選抜から推薦選抜に変更しました。しかし、お金持ちほど課外活動に没頭できるので、余計に経済格差が教育格差を生んで、失敗しています。

これらの問題を解決できる政治家は、韓国はもちろん、世界中探してもいないと思います。それこそ北朝鮮が崩壊でもしない限り、あるいは崩壊しても、難しいでしょう。

一方、日本は「新卒一括採用制度を禁止する」「年功序列賃金制度を禁止する」「専業主婦優遇社会保障制度を撤廃する」「定年を遅くする」「採用の年齢上限を禁止して、高齢者でも働けるようにさせる」「企業への障害者雇用義務を厳しくすることによって、障害者の社会保障費を軽減すると同時に、障害者を労働者にする」などの制度改革で、上記の日本の欠点は直せます。韓国での財閥解体と比べると、日本で必要な制度改革は副作用も少なく、実現可能性は高いはずです。やるべき政策が明確な分、日本は幸運だとも思うので、是非とも上記の改革を実現させてほしいです。

なお、日韓ともに衰退の根本原因である人口減少については、「未婚税と少子税と子ども補助金」などの「少子化」カテゴリーで対応策を述べています。