未来社会の道しるべ

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中学受験会場の異常さ

前回までの記事の続きです。

受験場でお祭り騒ぎする国民」に書いたように、日本では入学試験の日に、校門前に塾関係者が集まり、お祭り騒ぎをする変な文化が定着しています。上の記事にも書いたように、あれを見るたび、戦時中の出征兵士見送りパレードを思い出します。お受験の「過保護性」や「保守性」が見える側面です。

中学受験の入学試験の日には、もう一つ奇妙な事実を発見できます。子どもたちが全員、親と一緒に入試会場に来ていることです。私はそれを見て「子どもだけではなく、親も一緒に面接するのか。なんてくだらない」と思っていました。しかし、親も面接する変な中学も確かにあるのですが、ないところがほとんどです。だから、親は来る必要がないのに、職場に特別な許可をとって遅刻してでも、わざわざ子どもの入試に同行しているのです。「そんなに心配なのか」と呆れるかもしれませんが、たとえ心配でも高校や大学受験にまで着いていくバカ親はいないので、それが一番の理由ではありません。なんと「子どもがちゃんと電車に乗れないから」が一番の理由なのです。

中学受験する子どもは大学生でも解けないような難しい算数の問題を解ける一方で、電車の乗り方すら習得できていないのです。この教育の歪さに、同行している親たちは誰一人として疑問を持たないのでしょうか。もし私が電車の乗り方が分からないので、入試会場まで一緒に着いていってほしい、と子どもに頼まれたら、「そんな訳の分からない算数の問題解くよりも、電車を乗り継いで目的地に行ける方がよほど人生で役に立つ能力だ」「入試会場まで自力で行けないのなら、入試を受ける資格はない」と説教しています。

余談ですが、親面接をする変な中学は、圧倒的に女子校が多いです(最難関の桜蔭学園もコロナ禍前まで毎年行っていました)。つまり、親に恵まれなかった時点で、日本の女性はエリートコースから外れる可能性が高くなるようです。日本のエリート女性は西洋のエリート女性と比較にならないほど保守的ですが、保守的な日本男性以上にマザコン連中ばかりだからかもしれません。