未来社会の道しるべ

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マザコン国家ニッポン

このブログをよく読めば分かりますが、私が購読しているのは朝日新聞です。朝日新聞には、朝日新聞EduAという別刷りの特別版がたまに入っています。実態は教育新聞というより、お受験新聞であり、最大のテーマは中学受験になります。お受験に力を入れる人たちが、日本で進歩的とみなされる朝日新聞を好んで読んでいる証拠でしょう。こんな「お受験新聞」なんて止めよう、朝日新聞は中学受験で人生が決まってしまう教育システムを推奨しているのか、保守的な学歴社会を容認するのか、と言い出す人が読者にも社内にもいないのでしょうか。

事実として、現在の日本社会を動かしている人物のほとんどは、中学受験経験者です。東大や京大に入る学生の多くは、中高一貫校出身です。自我の芽生える思春期に目標を持って勉強しても既に手遅れで、児童期の小学校までにどう勉強したかでエリートになれるかどうか決まってしまう現実があります。

残念な事実として、中学受験は、半分以上、子ども本人ではなく、その母が行っています。「中学受験は、半分、お母さんが受験しているでしょう?」と私が中学受験経験者に言ったことは30回以上あるはずですが、否定されたことは一度もないどころか、ほとんどの人は「あ~」と同意の返事をしていました。つまり、日本のエリートのほとんどはお母さんの言いなりになる子ども時代を過ごしています。マザコン国家ニッポンです。マザコン度ゼロを通り越してマイナスの私がこの国で生きにくいわけです。

朝日新聞EduAでは、子ども4人全員を東大医学部に合格させた佐藤亮子なる教育ママが毎回記事を執筆しています。コイツは受験の半分どころか「受験は母親が9割」と考えて、そのタイトルの本まで恥ずかし気もなく出した狂人です(本当です)。ありえないというか、あってはならないのですが、この本を買い求めた人が日本に何万人もいて、改訂版まで出版されています。「母親ではなく自分の努力で合格したんだ」と当事者の4人の子どもは出版を止めなかったのか、せめてタイトルは変えるように要求しなかったのか、という疑問は自然と出てくるはずなのですが、本を読む限り、子どもたちも母のおかげで日本最難関大学の最難関学部に合格したことを認めているようです(重要な情報なので書いておきますが、この狂人の夫は東大卒で、しかも弁護士なので、4人の子全員の東大理Ⅲ合格は、父の遺伝のおかげでもあります)。

ちなみに、とある中学受験の進学塾には、一流中学に合格した生徒たちが自ら執筆した「合格体験記」だけでなく、その保護者たちが記した「保護者体験記」なる冊子まで費用をかけて作成し、配布していたりします(これも本当です)。中学受験が親で決まる最たる証拠かもしれません。

それにしても、母によって、学校や社会のエリートになれるかどうかが決まるなど、情けないと同時に、不公平なシステムです。子どもは親を、母を選べません。本来、自由や平等を重視する「進歩的な」朝日新聞が、中学受験や上記の狂人の記事を定期的に付録にするなど、不公平な世襲制を容認する保守派と批判されても仕方ありません。ネトウヨなどの若い保守系の人たちが朝日新聞を「おかしい」「間違っている」「不公平だ」と批判したくなるのも、朝日新聞のこういった保守性にあるのではないでしょうか。

中学受験がいかにおかしなシステムであるかは、次の記事からも示していきます。