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粉ミルクを熱湯で溶かす表示を今すぐ止めてほしい

今、日本中の多くの赤ちゃんが熱湯のミルクを飲んでいる事実を粉ミルクの製造会社は知っているのでしょうか。残念ながら、そのうちの一人が私の家の0才児です。もちろん、WHOのガイドラインでは「必ず湯冷まししてから」と書いていることは知っています。しかし、目の前で泣いている赤ちゃんを待てない母もいるのです。70℃の熱湯を毎日飲んでいたら、大人だって逆流性食道炎になりますし、何年も継続して暑い珈琲を飲んでいたら食道がんにだってなることは医者だったら知っていますし、医者でなくても常識的に考えれば分かります。

消化管には温度の感覚神経がないため分からないだけで、消化管も皮膚と同じく重層扁平上皮なので(しかも手足の皮膚より薄い)、熱湯をかけられたら損傷します。「試しに70℃の熱湯を自分の手にかけてみて」と私は何度妻に言ったでしょうか。

「熱湯を赤ちゃんに飲ませるバカが日本にいるとは思わなかった。日本の粉ミルクにサルモネラ菌やサカザキ菌がいる可能性なんて極めて低いのだから(そんな菌で病院運ばれる赤ちゃんなんて日本に年間何人いるのでしょうか)、熱湯あげるくらいなら普通の水道水で溶かしてほしい」と誰でも思うでしょう。しかし、目の前で泣いている赤ちゃんがいたら、冷めるまで待てず、それでも習慣になっている「熱湯で粉ミルクを溶かす」ことは止められない母が日本中にいるのです。繰り返しますが、私の妻もその一人です。信じられないかもしれませんが、私の妻は大卒で、しかも医療従事者です。私が「それは止めてほしい」と10回はお願いしても、止めてくれません。0才児の私たちの赤ちゃんが熱湯を飲まされた回数は100で足りません。

粉ミルクを熱湯で溶かすように必ず表示している国は、日本くらいではないでしょうか。サカザキ菌の感染者数が日本より遥かに多い国でも無視しているのに、日本だけ熱湯を徹底する理由はないでしょう。

なお、私の妻は、熱い珈琲が大好きなので、まだ30代前半ですが、当然のように逆流性食道炎に悩まされています。40代の私は胸やけで悩まされたことはありません。私の子どもたちは物心ついたときから逆流性食道炎で、死ぬまで悩まされるのかもしれません。