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わずかな新型コロナ患者数で日本の病床が逼迫した問題の正解

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コロナ病床逼迫

本日の朝日新聞朝刊の記事です。

コロナ病床が逼迫した理由について、簡潔に示しています。さすが一流新聞だけあり、本質を突いています。「 今の日本で医療崩壊が起こっていると本気で信じている日本人が多くいます(10年後の日本人へ)」の記事に書いたように、今年の初めころ、「民間病院がコロナ患者を受け入れていないから医療崩壊が起きた」「そもそも日本に民間病院が多いから、コロナ患者の受け入れ先がない」といった説がまことしやかに唱えられ、「コロナ患者を受け入れていない病院を公表すべきだ」と本気で言い出す「知識人」まで現れましたが、それらは見当はずれの批判だったことが分かります。

「医療資源が世界一と呼ばれる日本なのに、なぜ欧米より遥かに感染者数が少ない段階で医療崩壊が起こるのか?」と疑問に思っていた人に、私の上の記事より、上記の朝日新聞の記事の方が遥かに納得できるでしょう。しかし、この朝日新聞の記事を読んでも、「そもそも日本で医療崩壊など起こっていない」「コロナ病床を爆発的に増やす必要などない」という私の意見が間違っていた、とは考えません。

新型コロナで亡くなる人よりも、それ以外で亡くなる日本人が100倍以上多い事実は変わらないからです。それにもかかわらず、他の多くの病気のための病床を差し置いて、コロナ病床を激増させる理由はないからです。

それはともかく、こういった「多くの人が持っていた疑問」の正解を示した記事はもっと世に広まるべきでしょう。この記事が出た後は「日本はコロナを受け入れない民間病院が多いから、コロナで医療崩壊が起きた」という妄言が一切消えるべきなのですが、現実にはそうならないことが残念です。