未来社会の道しるべ

新しい社会を切り開く視点の提供

日本はカルト国家である

あえて断定表現を使いますが、日本はカルト国家です。なぜなら、次の四つの全ての要素が満たされているからです。

①組織から簡単に抜けられない

法律的、経済的、言語的理由から、日本人は簡単に外国人になれません。実際、私はカナダ人に今すぐにでもなりたいのですが、明日からなる、というわけにはいきません。

②メンバーは組織内と組織外で性格が変わる

この場合の性格とは話し方と所作を示して、内面は含めません。私を含めた日本人が、日本人と日本人以外と接するとき、性格が変わるのは一般的でしょう。これが排他性を生むことにもなります。

③メンバーは組織内でしか通用しない上下関係を重視する

憲法では法の下の平等が定められていますが、現実には暗黙の上下関係が至るところにあり、多くの日本人がその上下関係に従っているのは周知の通りです。

④メンバーは組織の異常さに気づいていない。

日本の異常さに気づいていない人は、日本人であることの優越感を持っているはずで、立派なカルトの危険人物と言えるでしょう。

この①~④を満たすなら、その組織は大なり小なりカルトです。ただし、この四つの要素は日本に限らず、先進国から発展途上国まで、全ての国家に当てはまります。もっと言えば、全ての宗教、全ての政党、全ての学校、全ての企業、全ての家族、全ての組織に当てはまります。人間が組織を作れば、必ずそこにはカルト的要素が含まれているのです。

これを読んで「全ての国家がカルトなんて屁理屈だ」と思う人もいれば、「全ての宗教がカルトなら、危険な宗教と安全な宗教を分類できなくなる」と思う人もいるでしょう。

それに対する答えは次のようになります。

「全ての組織はカルトの要素を持っている。カルトの要素が強ければカルトとなり、弱ければカルトとならないが、明確に分離することは不可能である。そして、全ての組織が流動的である以上、どんな組織もカルトになる可能性はある」

確かに日本がカルトなら、中国はもっとカルトですし、アフリカの全ての国はカルトになってしまうでしょう。それを屁理屈と考えるのは、現在の感覚だと妥当です。ただし、遥か先の時代、国家が全て消滅した未来の人が私の上の言葉を振り返ったなら、「全ての組織がカルトの危険性を持つなんて、子どもだって知っている」と考える、と私は予想します。

さらに未来の未来には、家族という排他的な組織も消滅して、誰もが個人として他の個人と対等に接する時代が来るはずだ、と私は期待しています。

ところで、①~④の要素はどれも強くなるほど、カルト度が増していきますが、中でも私が重要だと思うのは④です。世界中のあらゆる組織は完璧でないので、異常なところがあります。異常という言葉は強いかもしれませんが、他の誰かから「おかしい」「変だ」と思われる側面はどんな組織にも存在します。それに全く気づいていなかったり、気づいていない人が多かったりしたら、その組織はカルト要素が強く、危険でしょう。どんなに優秀であっても、自分の異常さに気づいていない人が危険であることと同じです。