未来社会の道しるべ

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21世紀の人口論

日本の少子化を移民で解決しても世界規模での少子化は止められない」の記事で、私は「世界からの移民で日本だけの人口減少を解決するのは視野が狭い。その手法では、いずれ世界規模で発生する人口減少の解決策にはならない」と書いています。それだけを読むと、「世界規模でいえば、人口はもっと減るべきだ。日本に1億人もいるべきでないように、世界に70億人もいるべきでない」という反論は当然出てくるでしょう。「世界に率先して人口減少していく日本は、理想的な人口減少移行社会のシステムを作り、世界に示すべきである。未婚税や少子税などの人権無視政策で、人口を維持させるなどもっての他である」と私の未婚税・少子税案を批判する人もいるかもしれません。

確かに、世界の人口が多すぎるという観点はあるでしょうが、日本だけが人口減少社会を受け入れるのでは意味がない、と私は思います。少なくとも2100年までは、世界人口は増えていくからです。

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「大局的な視野で見て、世界はいずれ人口減少社会を迎えるので、課題先進国の日本は先駆けて理想的な人口減少社会を作るべきだ」との考えは傾聴に値すると思いますが、それを実行するのは100年早いでしょう。それに、移民を受け入れず、有効な少子化対策が実現できないままなら、日本は消滅するまで少子高齢社会のままです。さすがに高齢化率40%を続けたい日本人はいないはずです。

だから、移民政策はあと100年は推進すべきでしょう。これから数十年間に起こる人口減少を食い止めるまで移民を受け入れるのは無理かもしれませんが、日本の理想的な人口規模に近づける手助けにはなるでしょう。

ただし、単純な移民政策は現在の欧米にもある民族対立が日本で発生するに違いありません。それを解決するための新移民政策を次の記事に記します。