道徳
山口敬之という元TBSの総理番(総理大臣担当記者)いました。山口は安倍晋三のお気に入りの記者で、第一次と第二次の安倍政権時、他の会社の記者だけでなく安倍の公設秘書たちも人払いさせた後に、独自の情報を何度も安倍から伝えられています。しかも、その…
「日本人が知らない中国セレブ消費」(袁静著、日経プレミアシリーズ)を読んで、私の中国知識を広めるとともに、こんな中国の基本情報を紹介する本がいまだ日本で必要なことを残念に思いました。「中国人は冷めた料理を食べない」は、「中国の実態は誰も知…
前回の記事の続きです。 中国が日本を追い抜いたもう一つの点は、街中カメラの設置台数です。これにより誰がどこの場所にいるのか瞬時に把握できます。残念なのは、それを報道している日本の記事が次のような切り口になっていることです。 正確な統計はない…
ここ最近の中国について情報収集していると、中国が日進月歩で変化しているのに、日本が10年1日のように停滞していることに意気消沈してしまいます。なにより残念なのは、ほぼ全ての日本人がそのことに危機感を全く持っておらず、未だに先進国気分で中国を見…
前回の記事と関連します。 「生きる職場」(武藤北斗著、イースト・プレス)の職場の人間関係の見識には共感します。 著者は職場の理想的な人間関係は「笑顔の溢れる状態ではない」と何度も強調しています。朝礼でハイタッチのような儀式を否定していますし…
日本史上最低の人物という概念自体、多くの人は持っていないでしょう。私も辻政信を知るまでは、そうでした。しかし、辻政信を知ってからは、「コイツは正真正銘の日本の歴史上最低最悪の奴だ」と考えて、それが間違っていると思ったことは10年以上ありませ…
私「なぜいけないんですか?」 相手「そういうルールだからです」 私「でも、そのルールは〇〇のためですよね。この場合、〇〇ではないんですから、いいじゃないですか」 相手「……。ルールには従ってください」 前回の記事にも書きましたが、こんな経験は日…
「遺族がかわいそうだ」 私はこの考えをする者を憎みます。マスメディアで聞いただけで虫唾が走ります。二度と聞きたくありませんが、家族制度が異常に重視されるこの国では、人生であと何度聞かなければいけないのでしょうか。 私は亡くなってほしい家族な…
骨肉腫で右足を切断したカナダ人青年のテリー・フォックスの話です。骨肉腫はがんの一種で、現在なら広範切除と化学療法で5年生存率が70%以上になりましたが、当時は切除しても肺転移などで亡くなる確率の方が高かった病気です。 テリー・フォックスはがん研…
「日本は集団の和を大切にするのに対して、西洋は個人主義である」ということはよく言われます。私も同様のことをブログに書いたように思います。この個人主義という言葉は自己中心のような語感があり、誤解を生みやすいと私は考えます。 教養のある西洋人と…
福島原発事故での吉田昌郎所長を「東日本壊滅から救った英雄」と考えている日本人は、まだどれくらいいるのでしょうか。 1902年の八甲田山遭難事件は第二次大戦中まで、210人中199名も死亡した青森歩兵第5連隊を英雄視することが常識でした。1971年の「八甲…
私の提案する新福祉国家で「一人の取りこぼしもない社会」実現のため特に提唱したいのは、家庭支援相談員の創設です。 家庭支援相談員は、日本中全ての家庭に訪問し、実態調査を行います。3世代家族であっても、一人暮らしであっても、1年に1回以上訪問して…
日本人のコミュニケーションで最優先されるのは、相手の気持ちを傷つけないことです。自分の意見を言うことは重要でありませんし、正しい意見を言う必要も全くありません。それでは意思疎通の本来の目的が達成されないかもしれませんが、相手を傷つけるくら…
先日、ある飲み会で自己紹介しました。自分の子どもが欲しいこと、子どもの教育本を100冊以上も読んでいることを熱弁しました。 「あれ? 結婚してましたっけ?」と聞かれて、「結婚どころか彼女もいません!」と言うと大ウケして、次に「子どもの名前はなに…
前回までマザー・テレサ、ナイチンゲール、ガンジーと3名の私の尊敬する人物を紹介させていただきました。この3人は自分を犠牲にしてでも他者のために生きていますが、なぜそんなことができたのでしょうか? その理由は誰にも特定できないでしょうが、3人と…
20世紀に最も人類に貢献した人物といえば、ガンジーだと私は考えています。もっと言えば、人類史上で彼ほど偉大な人物はいない、とさえ考えています。 暴力に対して非暴力で対抗する理想主義を主張するだけでなく、その実践により、大英帝国が絶対に手放した…
マザー・テレサというと、若い世代には歴史上の人物でしかないでしょう。生まれたのは1910年でオスマン帝国と聞くと、なおさらのはずです。 テレサはその地方では裕福な家で育ち、幸せに満ちた子ども時代を過ごしていたようです。敬虔なカトリック教徒であっ…
どんな時代のどんな社会でも、幸せな人はより幸せになりやすく、不幸な人はより不幸になりやすいです。それを是正するため、自由や平等を尊重する民主主義国家が誕生したのでしょうが、完全ではありません。 幸せな人は幸せになりやすく、不幸な人は不幸にな…
私が小学生の頃です。タチの悪い友だちが得意気にこんなことを言っていました。 友だち「知っているか? アメリカでは銃で人を撃っても、『撃たれそうになったから撃った』と言えば罪にならないんだぜ」 私(バカ言うな。そんなことあるわけないだろう) そ…
五蘊盛苦という仏教用語を知る人は少ないでしょう。四苦八苦の一つで、「自分の容姿と自分の性格が自分の思い通りにならない苦しみ」という言葉です。「キレイになりたい」と思ってもなれない苦しみ、「明るくなりたい」と思ってもなれない苦しみはどんな人…
あらゆる思想は、正しいか間違っているかを絶対的に決めることはできません。正しいか間違っているかは人間の価値観で判定されるものであり、価値観である以上、自然科学のような絶対的な答えは存在しません。誰もが知っている当たり前のことです。私の社会…
前回の記事の続きです。 謙虚さが西洋でも通用するように、英語に敬語はありませんが、相手に敬意を示す表現は世界中のどの言語にもあります。当然、教養の高いカナダ人も頻繁に丁寧な表現を使っていますし、品のないカナダ人はスラング(俗語)ばかり使いま…
外国人「あなたの英語は素晴らしいですね!」 日本人「いえいえ、私の英語なんて完璧からは程遠いです」 これは日本人(と韓国人)がよくするコミュニケーション失敗例です。西洋では、褒められた場合にまず感謝の言葉を伝えるのが礼儀なのに、感謝するどこ…
「青年たちよ。今こそ、我々の理想を実現する時だ。地方の農村に行って、文革を盛大に実践せよ」 そのような指示が中国共産党指導部から出ると、若者たちは我先に、意気揚々と、なんの迷いもなく都会から田舎へ向かって行った。そこで若者たちは自分のたちの…
「話し相手の印象は、55%は外見から、38%は話し方から、7%は話す内容からで決まる」 正確には違いますが、私はメラビアンの法則を上のように語っていました。「話し方」を「性格」、「話す内容」を「内面」とも呼んでいました。 メラビアンの法則は限定され…
「政治や宗教の話をしてはいけない」という忠告があります。カナダでは、日本以上にその言葉をよく聞いたように思います。実態は、カナダ人は政治や宗教の話が大好きでした。カナダ人に限らず、私の知り合いで教養のある西洋人は、政治や宗教の話ばかりして…
カナダにいて最も驚いたことの一つに、自由や平等といった基本的人権が非常に尊重されていることがあります。「国家権力に対して個人の力は小さいので、憲法が個人に与えた力が基本的人権だ」という説を、日本の法学教養本で読んだ記憶があるのですが、私の…
北米もヨーロッパも、日本と比べると多民族多文化国家であり、お互いに察することができないため、自分の意見をはっきり伝える必要があります。ただし、「あんたなんか嫌い」「あなたは間違っている」「なに言っているか分からない」なんて言えば、相手の感…
私がバンクーバーに住んでいた時、市長選挙では麻薬中毒者対策がいつも争点になると知りました。選挙戦では「どうやって麻薬中毒者を取り締まるか」と論ずる候補者はいなくて、どの候補者も「どうやって麻薬中毒者を救うか」と論じています。カナダ人にとっ…
私がカナダに長期留学していて、いつも疑問に感じていることがありました。 「カナダ人はこんなに怠け者なのに、なぜ日本人より一人当たりGDPが大きいのだろう?」 また、中国に住んでいた頃に、こんな疑問を感じていました。 「上海は東京並みに商品が豊富…