未来社会の道しるべ

新しい社会を切り開く視点の提供

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

留学生から特定技能に移行しなかった理由

コロナ禍前の統計ですが、日本にいる外国人の資格内訳は下の通りです。 「出稼ぎ目的の外国人が日本で実習生と留学生になる理由」に書いた通り、技能実習生だけでなく、留学生にも出稼ぎ目的の者が少なくありません。留学生は週28時間のアルバイトが認められ…

特定技能は日本の雇用許可制になれるのか

現状、なっていません。なれそうもありません。 特定技能が適応される2019年頃、頭の弱いコメンテーターが「既に日本は移民大国になっている。特定技能を導入したら、日本にさらに移民が押し寄せて、西洋の国と同様に外国人犯罪が多発する」と本気で心配する…

「韓国は外国人労働者天国」は本当か

「ルポ技能実習生」(澤田晃宏著、ちくま新書)によると、ベトナム人労働者が払う韓国への渡航費はわずか7万円です。ベトナムで韓国語テストに合格しなければならないので、それにかかる費用も事実上必要になりますが、その韓国語習得費用も1万8千円程度です…

ベトナムの日本語および職業訓練センター

「ルポ技能実習生」(澤田晃宏著、ちくま新書)からの抜粋です。 日本の受入企業に採用されたベトナム人技能実習生は、4ヶ月から1年間、「訓練センター」の寮で寝泊まりして、朝から晩まで日本語と日本文化のスパルタ教育を受けます。送り出し機関自らが「軍…

技能実習生はなぜ莫大な渡航費を払っているのか

多くの外国人技能実習生は70万円~100万円という莫大な渡航費を払って、日本に来ます。日本への航空券代はその10分の1程度なのに、他の費用は一体どうして生じているのでしょうか。それについて調べあげた貴重な本が「ルポ技能実習生」(澤田晃宏著、ちくま…

大半のベトナム人実習生は日本で成功している

外国人労働者の報道といえば、「劣悪な労働環境で働かされる外国人」が定番です。2019年に報道されたNHKドキュメンタリー番組の「ノーナレ」もその例に漏れません。 「厳しいノルマを課され、仕事は朝の7時から11時まで。洗濯する時間もなく、雨の季節は生乾…

多くのベトナム人が日本に来たがる理由と失踪する理由

「ルポ技能実習生」(澤田晃宏著、ちくま新書)の記述に、私は共感しました。共感した部分はいくつかありますが、そのうちの一つがベトナム人技能実習生に対する「嫉妬」です。わずか3年間日本で働いただけで、下の写真のような家が300万円で建った成功例を…

3K職場でも喜んで残業してくれる外国人労働者は日本の救世主である

前回までの記事で、マスコミ記者が介護制度の基本知識すらないまま介護殺人を感情的に報道していることを嘆きました。その記者たちの弁護をすると、日本の介護制度は1日や2日で全体像を把握できるほど単純ではありません。まして、外国の介護制度と比較して…

NHKよりもひどい毎日新聞の介護殺人取材

前回までNHKの介護殺人報道を批判しましたが、毎日新聞の介護殺人報道はもっとひどかったです。 毎日新聞の取材がNHKに劣る理由は、毎日新聞がNHKより先に報道したからでしょう。「介護殺人」(毎日新聞大阪社会部取材班著、新潮社)に書いてあるように、介…

世界最高の介護制度のある日本で介護殺人が多いはずがない

「母親に、死んでほしい」(NHKスペシャル取材班著、新潮社)は、NHKの記者たちがここまで医療や介護や福祉について知識が乏しいのか、と失望してしまう本でした。この報道を観た多くの日本人も好意的な反応を示した、と書いてあります。だとしたら、日本人…

軽い気持ちで介護殺人するバカもいる

NHKスペシャル「私は家族を殺した」という介護殺人をテーマにした番組が2016年に放送されたようです。この番組を私は観ていませんが、同取材班の「母親に、死んでほしい」(NHKスペシャル取材班著、新潮社)という本によると、放送を観た多くの日本人は「共…

内面だけでなく外見も重要である

「相手の気持ちを最優先する日本と道徳を最優先する西洋」とほぼ同じ意見の記事です。 「なぜ外見から内面まで判断してしまうのか」と「ここまで浅い日本人の人間観」で内面重視すべきとの記事を二つ書いたので、あえて、その反対意見の記事も載せておきます…