未来社会の道しるべ

新しい社会を切り開く視点の提供

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

自己紹介と期待する配慮事項カード

前回までの記事の続きです。 企業などから「聴覚障害者はわからないことを恥ずかしがらない。悪びれずに『知らない』と言う。失敗しても『知らなかった』と言うだけで、真剣に謝罪しないので、周囲から批判的にみられることがある」との批判を脇中は聞いたそ…

社会性習得教育

前回までの記事の続きです。 ろう学校の生徒たちに社会性を身に着けさせるため、脇中起余子は次のような寸劇を見せたり、マンガを読ませたりして、討論させるそうです。 1、1対1の会話と授業の違い 1対1の会話と授業の違い 2、音楽の時間 音楽の時間 3、…

聴覚障害教育の普遍性

前回までの記事の続きです。 聴覚障害者は日本語の「聞く」「話す」だけでなく、「読む」「書く」の習得も難しい、との統計的な事実があります。 「聴覚障害教育これまでとこれから」(脇中起余子著、北大路書房)には、聴覚障害児によくある日本語習得困難…

口話否定教育を否定

前回までの記事の続きです。 「手話を生きる」(斉藤道雄著、みすず書房)を納得しながら読んでいた時、最後の日本語科(国語を明晴学園ではこう呼ぶ)の授業の紹介で、大きな疑問が生じました。小学校6年生なのに、「呼んでみました」を「呼んで、見る」と…

西川はま子と脇中起余子

西川はま子という女性はその劇的な人生のため、手話法と口話法の歴史の中でほぼ必ず言及される方です。 はま子は1917年に滋賀県の裕福な家庭に生まれます。はま子がどれくらいの聴覚障害者であったかは判然としませんが、重度障害者ではなく、わずかながらも…

日本手話と日本語対応手話

現在、日本のろう学校の9割で行われている「手話付きスピーチ」とは、先生が声でしゃべり、その日本語の一部を手話の単語にして手を動かす手話のことです。もっと端的に言ってしまえば、これは「日本語対応手話」で授業しているということです。 ろうの人た…

手話は言語である

「手話を生きる」(斉藤道雄著、みすず書房)は私の言語観をゆさぶる本でした。私の世界観を広げてくれた本なので、これから記事にさせてもらいます。 以前、私はボランティア活動でろうの方と接する機会がありました。正直に白状しますが、ろうの方たちと接…

現場重視のフォレスター

「持続可能社会を作るために日本の森林を利用すべきである」の記事にも書いた通り、針葉樹人工林の放置が日本の森林の大問題であることは周知されているので、国も間伐推進策をとってきました。しかし、必要な水準の技術者や経営者がいないまま、画一的な条…