未来社会の道しるべ

新しい社会を切り開く視点の提供

効果的な利他主義宣言

(社会全体の役に立つためにはどうすればいいのだろうか)

私はそんな答えのない問題を何度も考えたことがあります。私は他人の偽善を批判ばかりしていますが、多くの偽善は、ないよりはマシです。まして、偽善を批判して、なにもしない奴よりは、偽善を行う人は遥かに社会に貢献しています。だから、偽善を批判する以上、私は社会に役に立つ本当の善を実行すべきです。

その答えを示唆してくれたのが「効果的な利他主義宣言」(ウィリアム・マッカスキル著、みすず書房)です。この本では科学的に、定量的に、世界全体に役に立つ方法を示してくれています。その結論は拍子抜けするほど単純で「お金を稼いで、適切な慈善団体に寄付することだ」になります。

これには当然、反論もあるでしょう。

「どうやってお金を稼ぐかにもよるだろう。パワハラやって儲かっている奴でも大金を寄付すれば、社会貢献していると言うのか?」「慈善団体に寄付するのではなく、慈善団体で働く方が貢献できるのではないか?」「新しい発明品で暮らしやすい世の中にすることも大きな社会貢献ではないか?」「お金で解決できない問題の方が重要だ。本当に社会貢献するなら、政治活動した方がいいのではないか?」

上の疑問の多くには、上記の本でも考察されています。冒頭にも書いた通り、「社会全体の役に立つためにはどうするべきか」は答えのない問題で、それは本でも認めています。しかし、「社会全体の役に立つ尺度なんて存在するわけがない」考えて、好き勝手に生きるのも明らかに正しくありません。

「社会全体の役に立つためにはどうするべきか」といった大問題に、「効果的な利他主義宣言」ほど科学的な道しるべを示した本は、これまでの世界史に存在しないと思います。少なくとも私は、こんな本が存在していることに驚きました。

私のようにNGOや国連の偽善に失望したことがある人、社会の役に立ちたいと思っているのにどうすればいいか分からない人には、強くお勧めします。