未来社会の道しるべ

新しい社会を切り開く視点の提供

2019年ではID代わりに住所を記入している

タイトルを読んで「令和のはじめの頃はまだ『住所』を書かせていた時代か」と思うのは、あと何年後でしょうか。

私は先日引っ越したので、市役所に転入届を提出してきました。たかがそれだけなのに3時間もかかりました。医者の仕事もAIに置き換わると本気で考えられている時代に、この程度の事務処理で午前中が潰れるなんて滑稽としか言いようがありません。銀行やクレジットカードの住所変更は、時間に余裕のある休日の夜にネット経由で済ませられました。引っ越しの契約は1ヶ月以上前に済んでいますし、新しい部屋に住んでもいます。なぜわざわざ有休を消化してまで、平日の昼に市役所に住所変更の申請に来なければいけないのでしょうか。

勤務先も変わるので、このところ氏名と住所を書類に何度も記入する機会があります。10回以上も書いていると、「氏名はともかく、どうして長ったらしい住所まで書かせるのだろう。なんのためにマイナンバーがあるんだ」と思ってしまいます。「日本が世界最高のAI国家になる方法」に書いたように、全ての金銭取引と全ての人の位置情報をネット上で公開すべきと私は考えています。その公的システムがあれば、住所変更の届出も、住所の記入も省略できます。

現在だって、昔だって、未来だって、「住所」と実際に住んでいる場所が違う人は必ずいます。住む場所が曜日によって違う人もいますし、ホテル暮らしの人もいますし、ホームレスの人もいます。このIT時代に、住所にこだわる理由が分かりません。

役人たちだって、たかが住所変更の申請に3時間も待たせるなんて非効率だ、税金のムダだと分かっているはずです。どうしてみんな分かっているのに、改革しないのでしょうか。「ネットを使えない日本人は何百万人もいる」「個人情報が洩れる可能性がある」「ハッカーに情報操作されると、日本中が大パニックになる」など、できない理由を一生懸命考えているのでしょうか。銀行やクレジットカードでできているのに、公的機関でできない理由はないはずです。

私が次に引っ越す頃には、住所変更のために有休を消化しなくてもいい時代になっていてほしいです。私の子どもが大人になるまでには、ID代わりに住所を記入する時代は終わっていてほしいです。