未来社会の道しるべ

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資本主義の矛盾は金銭取引を完全公開しないと解決しない

19世紀の資本主義勃興期のヨーロッパでは、自由と平等の名目の下で、明らかな不公平が広がっていました。大多数の下層民が1日のほとんどを労働で過ごしている間、一部の上層民が全く働かずに贅沢三昧していました。

「これでは古代の奴隷社会と同じではないか。こんな不公平がまかり通っているのに、ほとんどの民衆はどうしておかしいと気づかないのだ」

その理不尽さに気づいた少数のインテリの一人がマルクスでした。その着眼点は正しかったのですが、その解決法は間違っていました。

私有財産こそが諸悪の根源だ。計画経済で富の不平等を完全に失くす」

この原則を元にした共産主義は20世紀を大混乱に陥れました。100年間以上、十億以上もの人が上の理念を追及しましたが、結局、全て失敗しました。人間社会の経済については「原則自由にして、例外的に規則で取り締まる」方がいいと判明したと言っていいでしょう。

ただし、マルクスが注目した不公平は現在も残っています。特に投機家に極端な富が集中する制度は理不尽です。誰かの物を売ったり買ったりするだけで、その物を作った人の年収の100倍以上も稼げる経済制度は、誰が考えても間違っています。特に、そのリスクや損失すら負わないとしたら、理不尽極まりありません。しかし、現実にバブル崩壊後、日本はもちろん世界中で「責任を負わせたら社会が混乱するから」というよく分からない理屈で、その理不尽や不公平がまかり通っています。

この問題を解決するためには、情報公開しかないと私は思っています。「本当に責任を負わせたら社会が混乱するのか」、「税金で処理して、国民全員に責任を負わせるべきなのか」、「〇〇業界と××公的機関の人だけが責任を負うべきではないのか」、「その中でも、当時の上層部は全員自己破産させるまで責任を負わせるべきだろう」といった判断も、情報公開がなされていないと、不可能だからです。

その情報公開の最初の段階として、金銭取引の完全公開を提案します。あらゆる取引をオンラインで清算して、瞬時にネット上で公開する方法です。これで資本主義経済の不公平の全ては解決しないでしょうが、資本主義経済下での明らかな不公平は検証でき、是正することが可能になります。

金銭取引の完全公開改革の必要性に何十年も生きてきて気づかなかったことに私自身、驚いています。恐らく、100年後の10代の少年少女がこの記事を読んだら、「こんなの当たり前だろう。大げさに言うほどのことでない」と思っているはずです。