未来社会の道しるべ

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年功序列賃金制度を解体しないと日本の夜明けはない

社会経験が始めての新入社員は現場の仕事能力が、全社員で最も低くなります。この新入社員の時期に、自分より仕事能力の高い先輩への敬意と服従が要求され、確定します。先輩との上下関係は同じ会社で働いている間はもちろん、通常、退職しても終生変わりません。日本では、ほぼ同年齢の新入社員が大量に入社してくる習慣が何十年も続いてきました。だから、年長者=先輩=上位となります。

また、中学、高校で盛んなクラブ活動では、やはり年長者=先輩=上位の関係が徹底されています。古くからの儒教文化のせいもあり、社会人になる前も、なった後も年功序列は社会に蔓延しており、もはや日本の道徳となってしまっています。偉そうに批判している私も、日本にいるとこの道徳にある程度従っています。

こう考えると、年功序列の弊害を日本から消滅させるのはほぼ無理でしょう。しかし、年功序列「賃金」制度を破壊するのは、制度面の変更で可能だと私は考えています。具体的な方法は「ピーターの法則を回避するために」に書きました。

目標は、消費意欲の高い20代、30代の収入が増えて、子どものいない世帯の収入が激減して、貯金があまり残らないようにすることです。貯金だけでなく、子どもが巣立った後の高齢者だけの世帯に大きな土地建物は要らないので、土地建物資産についても社会的に公平な分配がなされるべきです。土地問題についてもいずれブログで語りたいと思いますが、大きな問題の一つが「高齢者への土地建物資産の集中」であることは同じでしょう。