未来社会の道しるべ

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退職金制度を廃止すべきである

うつ病の症状に貧困妄想があることを知っているでしょうか。本当は貧乏ではないのに、うつ病のせいで貧乏だと思い込んで、わずかな出費さえ控える症状が出ます。私も医療職に就いているので、貧困妄想の患者さんに何名も会ったことがありますが、全員高齢者でした。「暖房費用がもったいない(からエアコン使わない)」、「バス代がもったいない(から日中歩いて熱中症になる)」といった貧困妄想は、高齢者によく出ることが分かっています。

高齢者の高い貯蓄額は日本経済の特徴ですが、それを認めて、「高齢者にお金を遣わせる市場を形成すべきだ」と本気で主張する知識人がいますが、私に言わせれば、現実的でないですし、理想的でもありません。高齢者ほどお金持ちになる制度がおかしい、と気づかないのが不思議でもあります。

老人天国ニッポン」の記事で、高齢者を罵倒してしまいましたが、変えるべきなのは、高齢者ではなく、日本の制度です。多くの高齢者は金持ちを目指して金持ちになったというより、気づいてみたら、莫大な貯蓄額を持っていたのでしょう。車も家も持っていて、特別ケチな生活をしていたわけでなく、中流生活を真面目に送ってきたら、1千万円以上もの資産ができてしまったのだと推測します。だから、「普通」の生活をしていれば、高齢者に莫大な資産が生じる現在の日本の制度を変更しなければなりません。

分かりやすい改革の一つは、退職金制度の廃止でしょう。日本では一般化してしまった制度ですが、高齢者の貯蓄額を高めますし、終身雇用を促進するので、人材の流動を妨げます。法律で日本の全職業から退職金制度を失くして、消費意欲のある若者たちに回すべきです。

もっとも、これだけで高齢者の高すぎる資産額の問題が解決できるわけではないので、さらなる改革案を述べていきます。