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戦争とマスメディア

「あなたはマスコミに洗脳されていない自信がありますか?」

ここで「全く洗脳されていない」と自信を持って言う人は、返って危険でしょう。新聞やテレビニュースを全く見ない人でも、マスコミでニュースを作る側にいる人でも、どんな人でも、自分が思っている2倍は洗脳されていると思います(なお、新聞やテレビニュースを全く見ない人やジャーナリストは自分が思う10倍は洗脳されているでしょう)。それくらいの自覚は持っておくべきだと思います。

日本のマスコミは、特に新聞は、第二次大戦(日中戦争と太平洋戦争)を止めることはできませんでした。止めるどころか、どの新聞社も積極的に第二次大戦を応援していました。これは国家総動員法による強制があったからですが、それ以前より新聞は戦争を煽っていました。日露戦争でも反対論があったものの、開戦が近づくにつれ、もっとも反戦色の強かった万朝報でさえ戦争に賛成するようになり、開戦時の新聞は全て戦争賛美一色でした。

日露戦争時も、第二次大戦時も、戦争に疑問を感じていた知識人はいました。しかし、どの新聞も主戦論になって、戦争を囃し立てています。その最大の理由は、その方が新聞発行部数を増やせるからです。戦争ほど、新聞が爆発的に売れる事件はありません。母国が戦争になれば、誰だってその情報が知りたくなります。そして、ほとんどの国民は母国寄りの意見を好みます。母国が勝っていれば、それを派手に称賛した記事を読みたいでしょうし、負けても次には勝てるような勇ましい記事を読みたいでしょう。

戦争と新聞について考察した本は多くありますが、どれを読んでも、戦争のたびに新聞の発行部数が飛躍的に伸びたことを記しています。新聞社も私企業です。究極的には金銭的利益を求めます。そう考えると、新聞に戦争を止める力はないように思うかもしれません。

しかし、世界を見渡すと、マスコミが終わらせる役割を果たした戦争もあります。ベトナム戦争です。また、イラク戦争終結でもマスコミの影響は大きかったでしょう。戦争勃発を止めた例もあります。

ただし、これはアメリカの例で、それが可能だったのは、アメリカ人ジャーナリストたちに国際的な深謀遠慮があったからでしょう。日本人ジャーナリストで、そんな国際的な視野を持っている人は、いなくはないでしょうが、極めて少数のように思います。日本人の幼稚な外国嫌悪感情を抑制すべきなのは、そんな感情を持つ人がよく見るテレビや読売新聞や産経新聞でしょうが、これらのマスメディアに国際的な深謀遠慮を期待するのは、現状、無駄かもしれません。