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保証人制度をなくした場合の金利上昇はいくらなのか

日本社会に非効率な制度は多くありますが、人の流動性を妨げる点で、保証人が異常に浸透した制度は筆頭に挙げられるでしょう。借金をするとき、引っ越しをするとき、入学するとき、入社するときなど、ありとあらゆるときに保証人が必要です。

日本人ほど真面目に借金を返す国民が他にいるのでしょうか。保証人の必要性が外国と比べて少ないはずなのに、そういう習慣だからと、保証人文化が社会に根付きすぎているように思います。この保証人社会のため、引っ越しができなかったり、奨学金が得られなかったり、車や家のローンが組めなかったり、進学や就職できなかったりしたケースは、どれくらいあったか分かりません。ほぼ全ての日本に住む人にとって面倒この上ない制度で、労力的にも、経済的にも、非効率でしょう。

こんなことを書くと、「貸し渋りが起こって、返って借主の不利になり、経済が停滞する」と主張する人が必ず現れます。それでは科学的に、統計的に判断しましょう。

保証人がいないための貸し倒れ総額を出してください。保証人がいても貸し倒れになった総額も出してください。保証人がいても貸し倒れになったのなら、回収金額にもよりますが、保証人に請求した労力と人件費が無駄ですし、保証人まで破産させたため、人材損失は単純計算で2倍、あるいは3倍にもなったりします。それらの統計数値はすぐに求められるはずで、それと貸出総額から、保証人制度を失くした場合に貸出金利をどれくらい上昇させればいいかは、簡単に求められるはずです。この金利上昇数値と、保証人制度が社会に与える経済的悪影響を考えれば、どうするべきか、答えはすぐに導かれるに違いありません。

借金をすぐにチェックできる信用情報調査システムは日本に普及しています。高額な住宅ローンになると、本人の給与明細や貯金が調べられます。そこまでしていて、まだ保証人という他人を巻き込まないと不安なのでしょうか。そうではない、と私は考えています。単に習慣だから、なんとなく続けているだけのはずです。貸す側だって保証人を探して、他人の借金の肩代わりをさせる、なんて気の滅入る仕事をするより、貸出金利を上昇させた方が楽に違いありません。理性的に考えて、こんな非効率な伝統は即刻止めましょう。

2015年に連帯保証人の民法改正がようやく行われましたが、この程度の改革では全くもって不十分です。着実な雇用と豊かな親戚に恵まれたエリートたちは、この保証人社会が人の流動性をいかに妨げているかにピンと来ないのでしょう。しかし、上の数値を示して、保証人制度の廃止に経済的なメリットがあると分かれば、エリート連中でも改革に邁進するはずです。

日本にはどう考えても非効率な事務処理が無数に存在し続けています。その中でも、この保証人制度の浸透は日本社会を停滞させている象徴的な存在でしょう。多くの国民も毎度の面倒な保証人手続きにはうんざりしているはずです。国民もマスコミも、保証人制度の廃止を今の100倍は叫んでもらいたいです。