未来社会の道しるべ

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投票点数自由割当方式

前回までの記事で提案した投票価値試験が、最も有益だと考える選挙改革案です。この記事で提案する投票点数自由割当方式と、次の記事で提案するマイナス票は、本当に有益かどうか、私自身、疑問を持っているところもあります。

現在の投票方式では、一人の候補者に自分の投票価値を全て与えて、他の全候補者には自分の投票価値を一切与えていません。実際の有権者の意見は、必ずしもその投票価値と一致しているわけではありません。「A候補者を一番いいとは思うが、B候補者も各段悪いわけではない。しかし、C候補者は論外だ」という意見を持っている有権者がほとんどのはずです。

その有権者の意見にできるだけ近づけるために、投票点数自由割当方式を提案します。前回までの記事で提案した投票価値試験の点数を各候補者に整数で割当てる選択方式です。かりに投票価値試験点数が80点であれば、A候補者に50点、B候補者に29点、C候補者に1点、それ以外の候補者たちは0点といった具合に割当てられます。

「多数決を疑う」(岩波新書、坂井豊貴著)では、この自由割当方式を「少数の熱狂的なグループを優遇する仕組みに陥りかねない」と批判しています。確かに、その可能性も十分あるのですが、そうならない可能性もあるはずです。もし自由割当方式がうまくいかなかった実例を知っている方がいれば、ぜひコメント欄に書いてください。