未来社会の道しるべ

新しい社会を切り開く視点の提供

経済

全ての日本人、特に若い女性が知るべき統計

もうすぐ平成が終わります。平成がどんな時代だったかは、人によって解釈が異なりますが、経済的には停滞の時代であったことは下のGDPグラフからも明らかです。 昔の高度成長を知る世代(停滞の原因を作った世代でもあります)にとって、停滞とは情けない呼…

ある氷河期世代の叫び声

上は2017年12月8日の朝日新聞社説余滴です。ちょうど私の世代である「氷河期世代」が就職時期だけでなく、現在に至るまで、経済的損失を被っている統計を示しています。上の世代と比べても、下の世代と比べても、今の好景気時に失業者の減少が鈍く、非正規雇…

勤勉すぎる主婦たちが日本の生産性を下げる

遺伝的に日本人に勤勉な人の割合が高いとは思いませんが、能力のある人は極限まで勤勉にしてしまうのが日本社会のように思います。企業で働く日本人男性もそうですが、家庭でも日本人女性は平均すると世界一勤勉だと私は推測しています。 それがよく示す数値…

優秀な労働者を韓国や台湾にとられる日本

今回の一連の記事で「日本人がしたがらない仕事を外国人に低賃金労働させるなんて非人道的だ」なんて説教をするつもりはありません。むしろ「日本の人手不足産業を外国人労働者にしてもらった方が、日本全体の利益になるので好ましい」という見解で書いてい…

介護職の多くを公務員化すべきである

公務員改革でぜひ提案したいのは、介護職の大規模な公務員化です。 あまり知られていないと思うのですが、大きな政府のスウェーデンでは職業女性の半数以上が公的部門で雇用されています(「仕事と家族」筒井淳也著、中公新書)。また、その公的部門で雇用さ…

公務員を中高年限定採用にする改革

新卒一括採用と年功序列が一般化した日本では、中高年がなんらかの理由で退職した場合、再就職先を探すことが極端に難しくなっています。これの救済策として公務員を若者一括採用から40才以上の中高年者採用に変更することを提案します。 事務職や教員などは…

タックスヘイブンの不正をもっと報道すべきである

本日からパラダイス文書が日本のニュースで報道されています。「ポピュリスト支持者の本当の敵であるグローバリズムの弊害の解決方法」の記事でも同様のことを述べましたが、現代世界で最悪の不正はタックスヘイブンです。戦後から現在までの日本政治家腐敗…

高齢者以上に現役の社会的弱者にも個別事情に応じた人的援助を与えるべきである

前回の記事の続きです。 高齢者天国ニッポンでは、極めて手厚い高齢者介護が行われています。それがよく分かる表を次に示します(日経新聞のHPから引用)。 要介護1で月約15万円、要介護5になると月約35万円もの金額がたった1割の自己負担で利用できます。そ…

富の不公平を失くすために

前回の記事に書いたように、金銭取引のネット上の完全公開が実現したら、現存する富の不公平のほとんどは解消可能なはずです。常識的に考えて、どんなに仕事の質が違うとしても、同じ社会で同じ時間働いて100倍の収入の差が出るのはおかしいです。現在の日本…

資本主義の矛盾は金銭取引を完全公開しないと解決しない

19世紀の資本主義勃興期のヨーロッパでは、自由と平等の名目の下で、明らかな不公平が広がっていました。大多数の下層民が1日のほとんどを労働で過ごしている間、一部の上層民が全く働かずに贅沢三昧していました。 「これでは古代の奴隷社会と同じではない…

年功序列賃金制度を解体しないと日本の夜明けはない

社会経験が始めての新入社員は現場の仕事能力が、全社員で最も低くなります。この新入社員の時期に、自分より仕事能力の高い先輩への敬意と服従が要求され、確定します。先輩との上下関係は同じ会社で働いている間はもちろん、通常、退職しても終生変わりま…

ピーターの法則を回避するために

1、ある人材が昇進できるかどうかは、現在の仕事の遂行能力に基づいて判断される。 2、ある人材は昇進後の地位での仕事の遂行能力が高いとは限らない。 3、以上から、ある人材がその組織内で昇進できる限界地位に達した時、ある人材が昇進前までに経験し…

手書きの履歴書は法律で禁止すべきである

日本で履歴書は決められた書式に、わざわざ手書きしないといけません。法律で定められているわけではないのですが、そんな習慣が常態化しています。何件も就職活動した人なら知っているでしょうが、この履歴書手書き労力はバカになりません。ほぼ全ての日本…

日本式長時間労働は年功序列賃金制度により一般化した

このブログで何回か紹介している濱口桂一郎氏は「日本の雇用と中高年」 (ちくま新書)で、「日本の正社員が職種も時間も場所も無制限に働かされるようになったのはオイルショック後の低経済成長期でも雇用を維持するためだった」と述べています。海外では、開…

年功序列社会の根深さ

高齢者ほど貯蓄額が高い問題は、ここ最近の話ではありません。私の知る限り、バブル時代の1980年代には日本の重大な経済問題として取り上げられていました。この問題の根本原因には、日本の年功序列賃金制度があります。年次が上になるほど高賃金になります…

新卒一括採用の功罪

私はこちらのブログで何度もカナダの自由と平等を称賛してきました。しかし、人生の重要な分岐点である就職について、カナダは自由でも平等でもありません。 カナダで就職を目指そうとする複数の日本人およびカナダ人から聞いた言葉ですが、カナダでは「なに…

いじめ問題の教訓をパワハラ撲滅に活かすべきである

「パワハラを漏らさず把握し、撲滅に専念する公的機関を新設すべきである」に述べた提案の実現は容易でないでしょう。その方法を実行するためには、新規の法律と予算が国会審議にて可決されなければなりません。多くの国民が上記の提案に賛同して、それを実…

パワハラ撲滅がもたらす経済効果

パワハラの撲滅に成功すれば、社会に高い寛容性が浸透して、これまで無職だった者も働けると期待されます。生活保護費支給の約3.8兆円も減額できるでしょう(厚生労働省 2015年 生活保護費負担金事業実績報告参照)。 特に若年無業者、いわゆるニートたちの…

パワハラを漏らさず把握し、撲滅に専念する公的機関を新設すべきである

前回の記事のような問題を生むパワハラ撲滅のため、まず、パワハラの完全把握に向けて、使用者から労働者へのパワハラ報告先の告知義務を提案します。既に雇用している人たちに最低でも毎年1回、新しく雇用する人たちには採用時に、パワハラがあれば相談窓口…

パワハラの現状と日本の生産性の低さ

日本の地方労働局に入る苦情のうち、最多の26.0%はいじめや嫌がらせ、いわゆるパワハラ報告です(厚生労働省労働基準局2014年個別労働紛争解決制度実施状況参照)。厚生労働省の2012年調査では、過去3年以内にパワハラを受けた社員は25.3%となっています(職…

保証人制度をなくした場合の金利上昇はいくらなのか

日本社会に非効率な制度は多くありますが、人の流動性を妨げる点で、保証人が異常に浸透した制度は筆頭に挙げられるでしょう。借金をするとき、引っ越しをするとき、入学するとき、入社するときなど、ありとあらゆるときに保証人が必要です。 日本人ほど真面…

日本が国債デフォルトする前に金銭取引を完全公開しておくべき理由

異次元緩和も国債消化には無力に終わりそうなので、日本政府が莫大な国債を本気で消化しようとして、1946年以来の預金封鎖をする可能性は十分あるでしょう。悪夢のように膨張した国債を消化させるためには、預金封鎖、新通貨切替、急激なインフレなどの極端…

ポピュリスト支持者の本当の敵であるグローバリズムの弊害の解決方法

21世紀の現在、資本主義経済は地球規模で急速に浸透しており、世界中で貧困層が急激に富を得ています。発展途上国から安価な商品が入ってくることで、相対的に賃金の高い国の人たちは職を失っています。このため、多くの先進国で外国人排斥を唱えるポピュリ…

バブル期日本の長所

「国家の富は国民の道徳と教養によって決まる」との考えを持っているため、そう思ってしまう側面はあるでしょうが、世界で日本の存在感が最も大きかったバブル期(世界のGDPに対する日本のGDP比が最も高かった時代と一致しますが)、日本は相対的に他の先進…

好むと好まざると中国経済の影響を受ける日本

中国人が旅行中に高級品を買い漁る「爆買い」という言葉が2015年に流行語大賞をとりました。この「爆買い」のように、日本人が好むと好まざるにかかわらず、いまだ成長の止まらない中国から受ける影響力はしばらく増え続けます。 隣国に経済大国が誕生してい…

21世紀を大局的に見る

世界の人口の大部分を占める発展途上国は、20世紀までは後進国と呼ぶのが適切だったのでしょうが、現在は文字通りに爆発的に発展しています。産業革命の恩恵を一気に獲得している人たちが地球規模で何十億もいるのと対照的に、先進国の発展は停滞しています…

変化のスピードが恐ろしく遅い時代

18世紀末に始まった産業革命は有史以来最高の急激な変化を世界中にもたらしています。いち早く産業革命を達成した一部の国家群は20世紀まで、良くも悪くも世界全体を動かしていました。ついに21世紀には先進国だけでなく、世界中のほぼ全ての国に産業革命の…

カナダ人の寛容性と生産性の相関関係

私がバンクーバーに住んでいた時、市長選挙では麻薬中毒者対策がいつも争点になると知りました。選挙戦では「どうやって麻薬中毒者を取り締まるか」と論ずる候補者はいなくて、どの候補者も「どうやって麻薬中毒者を救うか」と論じています。カナダ人にとっ…

国家の富は国民の道徳と教養によって決まる

私がカナダに長期留学していて、いつも疑問に感じていることがありました。 「カナダ人はこんなに怠け者なのに、なぜ日本人より一人当たりGDPが大きいのだろう?」 また、中国に住んでいた頃に、こんな疑問を感じていました。 「上海は東京並みに商品が豊富…