未来社会の道しるべ

新しい社会を切り開く視点の提供

経済

魚食文化保存のために乱獲規制世論を盛り上げなければいけない

前回までの漁業記事を読んでもらったら、日本漁業がIQ方式(あるいはITQ方式)を導入しない理由が分からないのではないでしょうか。 このブログで何度も書いてきたように、私から見ると「頭がおかしいのではないか」と思うほど、日本人は変化に抵抗しますが…

デメリットだらけの漁獲枠オリンピック方式

前回までの記事の続きです。 世界ではIQ方式、もしくはITQ方式が一般的です。漁獲枠配分がいまだにオリンピック方式なのは日本くらいです。 IQ方式とは、漁業者あるいは漁船ごとに漁獲量を割り振る制度です。ITQ方式は、その割り振られた漁獲枠を金銭取引き…

水産庁は税金を使って漁業崩壊を促進する公的機関である

1997年から、ようやく日本でもTAC(総漁獲枠)制度が導入されました。日本の魚種別漁獲量の下のグラフで、薄いグレーの魚種でTAC制度が導入されています。 日本で大量に獲れる魚種のほとんどはTAC制度が導入されているのです。それにもかかわらず、どうして…

乱獲で自滅しているバカな国とそれを知らないバカな国民

ノルウェーはアイスランドと並んで、ヨーロッパの中では魚介類を日本人並みに消費する漁業国です。1960年代の油田の発見で財政が潤ったノルウェー政府は、既に儲からない産業になっていた漁業に莫大な補助金を与えました。結果、1970年代にノルウェー漁業は…

日本漁業の一人負け

このブログを開始した3年前から書こうと思っていたテーマです。ほとんどの情報は「漁業という日本の問題」(勝川俊雄著、NTT出版)に準じています。 上のグラフのように、世界の漁獲量が1990年代から安定しているのに対して、日本の漁獲量は1990年代に入って…

理屈だけで結論は得られない

1973年オイルショック以来のトイレットペーパー不足が2020年2月~3月の日本で発生しました。もともと買う予定のなかった人が買えなくなったら困るという理由で買いだめに走りました。買いだめしたバカは買い占めした奴を批判して、自分が情報に流されるバカ…

人口減少の深刻さ

現状の少子高齢化が続けば、日本の経済は縮小していき、経済縮小の度合いは地方ほど顕著になります。最大の理由は、人口減少と少子高齢化です。 一部の地方で事業が成功して、豊かになることはあるでしょうが、日本中の地方が全て豊かになることはありえませ…

「地方創生大全」でも地方創生はできません

明治維新と戦後GHQ改革を越える革命でも起こらない限り、日本の人口減少は止まりません。統計を調べて、簡単な計算をしてみれば分かりますが、日本がどれほど外国人受け入れ政策をとったとしても、人口減少を食い止めるほど大量に外国人を受け入れることはで…

地域活性の起爆剤が反対の意味で起爆してしまう理由

「地方創生大全」(木下斉著、東洋経済新報社)は素晴らしい本でした。地方創生に関わる全ての人に読ませたいです。特に、国や県や市町村から補助金をもらおうとする人にはぜひ読んでもらいたいです。もっと根本的に、補助金を設定したり廃止したりできる政…

効果的な利他主義宣言

(社会全体の役に立つためにはどうすればいいのだろうか) 私はそんな答えのない問題を何度も考えたことがあります。私は他人の偽善を批判ばかりしていますが、多くの偽善は、ないよりはマシです。まして、偽善を批判して、なにもしない奴よりは、偽善を行う…

フェアトレードの偽善性

先進国で売られている多くの製品は、発展途上国の人たちの労働によって作られています。先進国を豊かにしている物が、先進国では許されないほどの劣悪な労働条件で、先進国よりも桁違いに安い賃金で、先進国の生活を享受できない人たちによって、作られてい…

平田オリザの提言

「下り坂をそろそろと下る」(平田オリザ著、講談社現代新書)は、平田オリザの著作である時点でほとんど期待していませんでしたが、その予想を見事に裏切って、興味深い本でした 「ヨーロッパのように、失業者割引を導入すべきだ。『失業しているのに劇場に…

なぜ日本はコンパクトシティの都市計画で50年間も失敗続きなのか

土地問題はいくつもの法が複雑に絡み合いますが、「老いる家崩れる街」(野澤千絵著、講談社現代新書)は都市計画の失敗について簡潔に説明してくれています。この本で何度も出てくる言葉が「焼き畑的都市計画」「住宅のバラ立ち」です。 市民の居住面積が大…

日本人は昔の中国を見ている

「日本人が知らない中国セレブ消費」(袁静著、日経プレミアシリーズ)を読んで、私の中国知識を広めるとともに、こんな中国の基本情報を紹介する本がいまだ日本で必要なことを残念に思いました。「中国人は冷めた料理を食べない」は、「中国の実態は誰も知…

いつの間に日本はこんな残念な国になったのか

前回の記事の続きです。 中国が日本を追い抜いたもう一つの点は、街中カメラの設置台数です。これにより誰がどこの場所にいるのか瞬時に把握できます。残念なのは、それを報道している日本の記事が次のような切り口になっていることです。 正確な統計はない…

日進月歩の中国と10年1日の日本

ここ最近の中国について情報収集していると、中国が日進月歩で変化しているのに、日本が10年1日のように停滞していることに意気消沈してしまいます。なにより残念なのは、ほぼ全ての日本人がそのことに危機感を全く持っておらず、未だに先進国気分で中国を見…

wetな人間関係からdryな人間関係へ

前回の記事と関連します。 「生きる職場」(武藤北斗著、イースト・プレス)の職場の人間関係の見識には共感します。 著者は職場の理想的な人間関係は「笑顔の溢れる状態ではない」と何度も強調しています。朝礼でハイタッチのような儀式を否定していますし…

やってダメなら元に戻す

「生きる職場」(武藤北斗著、イースト・プレス)は興味深い本でした。 「好きな日に好きな時間帯に出勤できる」「嫌いな仕事はしない」などのルールが注目されるでしょうが、むしろ著者の職場観について私は同意します。 仕事からの喜びやストレスは、仕事…

5万円でブラック企業を辞められる!

今朝の朝日新聞を読んで驚愕したので、ここにも書いておきます。わずか5万円でパワハラ上司とオサラバできる素晴らしい仕事が現代日本に存在していました。こちらからは会社側に一切連絡することなく、次の日から職場に行かなくていい、という涙が出るほど嬉…

就職面接での就職コーディネーターの同席義務化

2018年12月15日朝日新聞土曜版の記事で、クックビズという飲食業界の人材紹介サービス企業が紹介されていました。驚いたのは、スタッフが採用面接に同行することです。飲食業界は離職率が30%と高い業種なので(下の日本生産性本部生産性総合研究センター2018…

全ての日本人、特に若い女性が知るべき統計

もうすぐ平成が終わります。平成がどんな時代だったかは、人によって解釈が異なりますが、経済的には停滞の時代であったことは下のGDPグラフからも明らかです。 昔の高度成長を知る世代(停滞の原因を作った世代でもあります)にとって、停滞とは情けない呼…

ある氷河期世代の叫び声

上は2017年12月8日の朝日新聞社説余滴です。ちょうど私の世代である「氷河期世代」が就職時期だけでなく、現在に至るまで、経済的損失を被っている統計を示しています。上の世代と比べても、下の世代と比べても、今の好景気時に失業者の減少が鈍く、非正規雇…

勤勉すぎる主婦たちが日本の生産性を下げる

遺伝的に日本人に勤勉な人の割合が高いとは思いませんが、能力のある人は極限まで勤勉にしてしまうのが日本社会のように思います。企業で働く日本人男性もそうですが、家庭でも日本人女性は平均すると世界一勤勉だと私は推測しています。 それがよく示す数値…

優秀な労働者を韓国や台湾にとられる日本

今回の一連の記事で「日本人がしたがらない仕事を外国人に低賃金労働させるなんて非人道的だ」なんて説教をするつもりはありません。むしろ「日本の人手不足産業を外国人労働者にしてもらった方が、日本全体の利益になるので好ましい」という見解で書いてい…

介護職の多くを公務員化すべきである

公務員改革でぜひ提案したいのは、介護職の大規模な公務員化です。 あまり知られていないと思うのですが、大きな政府のスウェーデンでは職業女性の半数以上が公的部門で雇用されています(「仕事と家族」筒井淳也著、中公新書)。また、その公的部門で雇用さ…

公務員を中高年限定採用にする改革

新卒一括採用と年功序列が一般化した日本では、中高年がなんらかの理由で退職した場合、再就職先を探すことが極端に難しくなっています。これの救済策として公務員を若者一括採用から40才以上の中高年者採用に変更することを提案します。 事務職や教員などは…

タックスヘイブンの不正をもっと報道すべきである

本日からパラダイス文書が日本のニュースで報道されています。「ポピュリスト支持者の本当の敵であるグローバリズムの弊害の解決方法」の記事でも同様のことを述べましたが、現代世界で最悪の不正はタックスヘイブンです。戦後から現在までの日本政治家腐敗…

高齢者以上に現役の社会的弱者にも個別事情に応じた人的援助を与えるべきである

前回の記事の続きです。 高齢者天国ニッポンでは、極めて手厚い高齢者介護が行われています。それがよく分かる表を次に示します(日経新聞のHPから引用)。 要介護1で月約15万円、要介護5になると月約35万円もの金額がたった1割の自己負担で利用できます。そ…

金余り国家ニッポン

「これまでとは別次元のインフレ策」として日銀が資金供給量を急激に増加させましたが、たった2%のインフレすら起こせないままです。その理由の一つは、日本人の消費意欲の低さでしょう。消費意欲が高いはずの若者は薄給で長時間労働ですし、貯蓄も時間も十…

富の不公平を失くすために

前回の記事に書いたように、金銭取引のネット上の完全公開が実現したら、現存する富の不公平のほとんどは解消可能なはずです。常識的に考えて、どんなに仕事の質が違うとしても、同じ社会で同じ時間働いて100倍の収入の差が出るのはおかしいです。現在の日本…