未来社会の道しるべ

新しい社会を切り開く視点の提供

親が子どもの名前をつける制度

先日、ある飲み会で自己紹介しました。自分の子どもが欲しいこと、子どもの教育本を100冊以上も読んでいることを熱弁しました。 「あれ? 結婚してましたっけ?」と聞かれて、「結婚どころか彼女もいません!」と言うと大ウケして、次に「子どもの名前はなに…

人は自分のためにしか生きられない

前回までマザー・テレサ、ナイチンゲール、ガンジーと3名の私の尊敬する人物を紹介させていただきました。この3人は自分を犠牲にしてでも他者のために生きていますが、なぜそんなことができたのでしょうか? その理由は誰にも特定できないでしょうが、3人と…

非暴力を成功に導いたガンジーの実像

20世紀に最も人類に貢献した人物といえば、ガンジーだと私は考えています。もっと言えば、人類史上で彼ほど偉大な人物はいない、とさえ考えています。 暴力に対して非暴力で対抗する理想主義を主張するだけでなく、その実践により、大英帝国が絶対に手放した…

近代病院は医者ではなく看護師により創られた

ナイチンゲールは資本主義勃興期のイギリス家庭に生まれました。貧富の差が極限まで広がっていた時代の上流階級であり、名前のフローレンスはイタリアの都市「フィレンツェ」のことです。両親が2年間の新婚旅行中にフィレンツェでナイチンゲールを産んだこと…

マザー・テレサの日本人へのメッセージ

マザー・テレサというと、若い世代には歴史上の人物でしかないでしょう。生まれたのは1910年でオスマン帝国と聞くと、なおさらでしょう。 テレサはその地方では裕福な家で育ち、幸せに満ちた子ども時代を過ごしていたようです。敬虔なカトリックであった彼女…

抽選制民主主義

代議制民主主義の国では、国民が民主的な投票によって代表者を選び、その代表者たちが国民の守るべき法律を定め、税金をどう徴収するかを決め、税金をどう使うかを決めます。 これは合理的に思えるのですが、なぜこの政治形態が上手くいかないのでしょうか。…

幸せな人を尊重し、不幸な人を虐げる国

どんな時代のどんな社会でも、幸せな人はより幸せになりやすく、不幸な人はより不幸になりやすいです。それを是正するため、自由や平等を尊重する民主主義国家が誕生したのでしょうが、完全ではありません。 幸せな人は幸せになりやすく、不幸な人は不幸にな…

ブラック企業でもこれだけは我慢できない

私がブラック企業にいた頃、同じ現場で毎日パワハラに耐えている同僚が「他の叱責は仕方ないにしても、そう言われることだけは我慢ならない」と口を揃えていた不満があります。上司からの次のような叱責です。 「ここでダメだったら、どこいっても同じだから…

新卒一括採用の功罪

私はこちらのブログで何度もカナダの自由と平等を称賛してきました。しかし、人生で重要な分岐点である就職については、カナダは必ずしも自由でも平等でもありません。 カナダで就職を目指そうとする複数の日本人およびカナダ人から聞いた言葉ですが、カナダ…

理由が分からないことは問題なのか

前回の記事の最後で、「医学では、統計による根拠はメカニズムによる根拠に勝る」ことを示しただけで、文部科学省批判までしているのは論理の飛躍があるので、捕捉しておきます。 身の回りのことで、理由を説明できることはどれくらいあるでしょうか。電車が…

医学的根拠で最も重要なのは確率的妥当性である

ノーベル賞受賞者の山中伸弥と将棋の羽生善治の対談動画あります(https://www.youtube.com/watch?v=wIWXtJHN8cE)。この動画の25分以降に、羽生が「AIは確率的にこちらが正しいと言っているだけで、その理由の説明がない。医療のような世界で、理由がよく分…

人として大切なところが欠けている

私が小学生の頃です。タチの悪い友だちが得意気にこんなことを言っていました。 友だち「知っているか? アメリカでは銃で人を撃っても、『撃たれそうになったから撃った』と言えば罪にならないんだぜ」 私(バカ言うな。そんなことあるわけないだろう) そ…

PISA現象のおかしさ

若い世代には通じないでしょうが、10年ほど前、日本には「PISAショック」という言葉がありました。「国際的な学力テストのPISAで日本の成績が下がったショック」を意味しています。PISAショックは、当時導入されていたゆとり教育批判の根拠にもなりました。…

五蘊盛苦

五蘊盛苦という仏教用語を知る人は少ないでしょう。四苦八苦の一つで、「自分の容姿と自分の性格が自分の思い通りにならない苦しみ」という言葉です。「キレイになりたい」と思ってもなれない苦しみ、「明るくなりたい」と思ってもなれない苦しみはどんな人…

なぜ日本人は討論下手なのか

建設的な議論が成り立つには、お互いに社会観、人間観、倫理観、洞察力などがある程度の水準以上でなければならない、と私は考えています。ほとんどの日本人はその水準に達していないように私は思っています。日本人集団だと意見がほぼ一致している時だけ口…

「あらゆる思想の正誤は絶対的に決められない」とは絶対的に決められない

あらゆる思想は、正しいか間違っているかを絶対的に決めることはできません。正しいか間違っているかは人間の価値観で判定されるものであり、価値観である以上、自然科学のような絶対的な答えは存在しません。誰もが知っている当たり前のことです。私の社会…

いじめを語る会を作るべきである

ある年齢以下の日本人なら、学校などで「戦争体験を語る会」に参加させられたことはあるでしょう。戦争体験者(空襲被害者や原爆被害者)の講演を聞く会です。そんな風に「戦争を語る会」があるなら、私は「いじめを語る会」があってもいいと思います。 私の…

いじめ問題の教訓をパワハラ撲滅に活かすべきである

「パワハラを漏らさず把握し、撲滅に専念する公的機関を新設すべきである」に述べた提案の実現は容易でないでしょう。その方法を実行するためには、新規の法律と予算が国会審議にて可決されなければなりません。多くの国民が上記の提案に賛同して、それを実…

パワハラ撲滅がもたらす経済効果

パワハラの撲滅に成功すれば、社会に高い寛容性が浸透して、これまで無職だった者も働けると期待されます。生活保護費支給の約3.8兆円も減額できるでしょう(厚生労働省 2015年 生活保護費負担金事業実績報告参照)。 特に若年無業者、いわゆるニートたちの…

パワハラを漏らさず把握し、撲滅に専念する公的機関を新設すべきである

前回の記事のような問題を生むパワハラ撲滅のため、まず、パワハラの完全把握に向けて、使用者から労働者へのパワハラ報告先の告知義務を提案します。既に雇用している人たちに最低でも毎年1回、新しく雇用する人たちには採用時に、パワハラがあれば相談窓口…

パワハラの現状と日本の生産性の低さ

日本の地方労働局に入る苦情のうち、最多の26.0%はいじめや嫌がらせ、いわゆるパワハラ報告です(厚生労働省労働基準局2014年個別労働紛争解決制度実施状況参照)。厚生労働省の2012年調査では、過去3年以内にパワハラを受けた社員は25.3%となっています(職…

いじめ防止対策推進法

前回の記事の大津中2いじめ自殺事件をうけて、いじめ防止対策推進法が成立しました。文科省による行政対策だけでなく、ついに立法政策まで進んだのです。 これまで、いじめなのか犯罪なのか曖昧な事件がありましたが、それらを包括して、いじめと定義してい…

大津中2いじめ自殺事件

前回の記事の続きです。闇に葬り去られるはずだった大津中2いじめ自殺事件の状況が一変したのは、2012年7月です。既に事件から1年近く経過していたのに、共同通信社の記者が「自殺の練習をさせられていた」情報に、今更ながら「1986年の葬式ごっこ事件」を思…

闇に葬り去られたいじめ、非行事件の被害者たち

文科省公表のいじめ件数を見ると、いじめの定義を変えるたびに、いじめ件数が激増して、それから次のいじめ定義の変更までいじめ件数が毎年減少していくサイクルを繰り返しています。こんな文科省のいじめ件数統計があてにならないのは間違いありませんが、1…

いじめ事件、非行事件の被害者を今からでも救うべきである

大河内くん自殺事件の6年後に、またも愛知県で尋常でない恐喝事件が起きます。大河内くん自殺事件では100万円の恐喝でしたが、なんと5000万円の恐喝事件です。100万円が安く感じてしまうくらい被害額が甚大なのに、大河内くん自殺事件と比べると、5000万円恐…

いじめは絶対悪である

私が外国人に、どうして日本でいじめが社会問題となったかを説明するときに、1994年の愛知県大河内くん自殺事件を次のように語っていました。 私「いじめが日本で絶対悪と認識されるようになった事件がある。中学2年生の少年が同級生から暴力を受けて、お金…

いじめ問題の始まり

いじめがマスコミに注目されたのは、1986年の「葬式ごっこ事件」が最初になるでしょう。wikipediaにもある通り、担任教師が、後に自殺する少年の葬式ごっこの寄せ書きを添えていて、自殺後、その行為を生徒たちに口止めするように言っている上、聞き取り調査…

いじめ問題を振り返る

いじめ問題が日本で生じたのは日本のバルブ経済期と重なります。バブル期に日本人は多くの違法あるいは合法の罪を犯していますが、その中でも、いじめ問題は最低最悪の罪だと私は考えています。 文科省調査のいじめ件数は全くあてにならないため私の推測にな…

学歴社会嫌いな私が学歴好きになった理由

私は二度大学を卒業していますが、一度目の大学受験では、二流大学に合格したのに、わざわざ偏差値の低い三流大学に進学しました。 「人を学歴で判断すべきではない。その人の真の知性、内面で判断するべきである」 そんな理念を元にした価値のある決断だと…

観念論でなく教育内容に注目すべきである

日本で「基礎学力教育」と「個性尊重教育」のどちらを重視すべきか、という意味のあまりない議論は耐えることがありません。一長一短であり、どちらも極端すぎるのはいけない、などの当たり前の結論にしか到達しないでしょう。そんな抽象的な観念論よりも、…

保証人制度をなくした場合の金利上昇はいくらなのか

日本社会に非効率な制度は多くありますが、人の流動性を妨げる点で、保証人が異常に浸透した制度は筆頭に挙げられるでしょう。借金をするとき、引っ越しをするとき、入学するとき、入社するときなど、ありとあらゆるときに保証人が必要です。 日本人ほど真面…

日本が国債デフォルトする前に金銭取引を完全公開しておくべき理由

異次元緩和も国債消化には無力に終わりそうなので、日本政府が莫大な国債を本気で消化しようとしたら、1946年以来の預金封鎖をする可能性は十分あるでしょう。悪夢のように膨張した国債を消化させるためには、預金封鎖、新通貨切替、急激なインフレなどの極…

ポピュリスト支持者の本当の敵であるグローバリズムの弊害の解決方法

21世紀の現在、資本主義経済は地球規模で急速に浸透しており、世界中で貧困層が急激に富を得ています。発展途上国から安価な商品が入ってくることで、相対的に賃金の高い国の人たちは職を失っています。このため、多くの先進国で外国人排斥を唱えるポピュリ…

1980年代日本の長所

「国家の富は国民の道徳と教養によって決まる」との考えを持っているため、そう思ってしまう側面はあるでしょうが、世界で日本の存在感が最も大きかった1980年代(世界のGDPに対する日本のGDP比が最も高かった時代と一致しますが)、日本は相対的に他の先進…

共産主義が失敗した思想的理由

共産主義が失敗した一番の理由は計画経済の非効率性にあったと私は確信しています。ただし、他にも理由はいろいろあげられるでしょう。思想的な側面でいえば、本来利益を受けるはずの下層大衆が利益を受けていると理解できなかったことにある、と私は考えて…

言葉は性格である

「英語で話すと、日本語で話すより、言い方が率直になる」 そんなことを感じる人は多くいます。私もその一人です。私はこの現象を「言語によって性格が変わる」と表現しています。 私は日本語を母語としてない300名以上の外国人と日本語で話しています。そこ…

中国人とつきあえない日本人がインド人とつきあえるのか

2000年頃には、いずれインドが人口で中国を追い抜き、中国同様に急激な経済成長を遂げて、21世紀中にアメリカを経済力で上回る大国になることを、私は知っていたように思います。1990年代には「21世紀は中国の時代だ。この波に乗り遅れるな!」という記事を…

好むと好まざると中国経済の影響を受ける日本

中国人が旅行中に高級品を買い漁る「爆買い」という言葉が2015年に流行語大賞をとりました。この「爆買い」のように、日本人が好むと好まざるにかかわらず、いまだ成長の止まらない中国から受ける影響力はしばらく増え続けます。 隣国に経済大国が誕生してい…

21世紀に大戦争が起こる可能性

アラブの春が起こっても、中東での民主化が一気に進むという夢は実現しませんでした。友人のイスラエル人にその理由を聞くと、こんな答えが返ってきました。 「フランス革命後にフランスで一気に民主化が進んだわけではない。独裁者が出たり、王政が復活した…

21世紀を大局的に見る

世界の人口の大部分を占める発展途上国は、20世紀までは後進国と呼ぶのが適切だったのでしょうが、現在は文字通りに爆発的に発展しています。産業革命の恩恵を一気に獲得している人たちが地球規模で何十億もいるのと対照的に、先進国の発展は停滞しています…

変化のスピードが恐ろしく遅い時代

18世紀末に始まった産業革命は有史以来最高の急激な変化を世界中にもたらしています。いち早く産業革命を達成した一部の国家群は20世紀まで、良くも悪くも世界全体を動かしていました。ついに21世紀には先進国だけでなく、世界中のほぼ全ての国に産業革命の…

最低な日本人の国際感覚

「アジアを見下して、西洋を尊敬する」のは最低な日本人の国際感覚でしょう。一方で、多くの日本人が持っている感覚でもあります。 私はそれと反対の国際感覚を持つべきだと長年考えていました。今でも「アジアに敬意を払うべきだが、西洋に敬意を払う必要は…

日本人の美徳は国際的にも美徳である

前回の記事の続きです。 謙虚さが西洋でも通用するように、英語に敬語はありませんが、相手に敬意を示す表現は世界中のどの言語にもあります。当然、教養の高いカナダ人も頻繁に丁寧な表現を使っていますし、品のないカナダ人はスラング(俗語)ばかり使いま…

「西洋で謙遜は通用しない」は嘘である

外国人「あなたの英語は素晴らしいですね!」 日本人「いえいえ、私の英語なんて完璧からは程遠いです」 これは日本人(と韓国人)がよくするコミュニケーション失敗例です。西洋では、褒められた場合にまず感謝の言葉を伝えるのが礼儀なのに、感謝するどこ…

文化大革命と西洋人への皮肉

「青年たちよ。今こそ、我々の理想を実現する時だ。地方の農村に行って、文革を盛大に実践せよ」 そのような指示が中国共産党指導部から出ると、若者たちは我先に、意気揚々と、なんの迷いもなく都会から田舎へ向かって行った。そこで若者たちは自分のたちの…

メラビアンの法則

「話し相手の印象は、55%は外見から、38%は話し方から、7%は話す内容からで決まる」 正確には違いますが、私はメラビアンの法則を上のように語っていました。「話し方」を「性格」、「話す内容」を「内面」とも呼んでいました。 メラビアンの法則は限定され…

日本人が陥りやすい間違った討論法

前回の記事の続きです。 失敗例1:「私はAだと思う」「いや、私はAでないと思う」「なにを言うかAだ」「絶対Aじゃない」「A以外ありえない」「Aこそ考えられない」…… これを繰り返していては、イタチごっこになってしまいます。「なぜAと思うか」あるいは「…

西洋式討論術

日本と西洋の教育で大きく違うところはいろいろありますが、ここでは討論に注目します。日本の学校では討論なんてほとんど行いませんが、西洋の学校では毎日討論しているみたいです。また、次の記事で取り上げるように、日本での討論は、政治家の討論を含め…

日本人が開明思想を持っていれば幕末・維新の悲劇は少なかったはずである

「幕末の動乱は不可避だったのか」で書いた結論とほぼ同じですが、別の視点から考えます。日本人の多くが開明思想を持っていれば、アメリカと不平等条約を結ぶことはなかったでしょう。また、かりに結んだとしても、維新期の最初に、つまり岩倉使節団派遣の…

岩倉外交が不平等条約を改正できなかった理由

岩倉使節団が不平等条約改正を達成できなかったのは、その目的意識が薄かったことにあります。留守政府も岩倉使節団も不平等条約を改正する意志が強くなかったのです。より正確にいえば、強かった者もいたようですが、改正など不可能と諦めている連中に負け…